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「香り」のために“ふた”まで新開発 特許も出願 ローソンが異様にコーヒーへこだわる理由「香りの総量」は107%に改良(2/2 ページ)

ローソンが、コーヒーの品質向上に心血を注いでいる。10月22日から全国で展開していく新たなコーヒーでは、焙煎の方法を見直す。また、リニューアルしたコーヒーをより良く楽しんでもらうため、ホットコーヒー専用の“ふた”を新たに開発したという。

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新開発の「香りフタ」は特許出願中

 リニューアルした香りを生かすため、新たにふたも開発。それが「香りフタ」だ。「リニューアルを進めていく上で、どんなに香りを良くしても、ふたの穴から飲む場合にはプラスチックのにおいがしてしまうことに気付いた」と担当者。

 もともと、こうしたふたには何種類かパターンがあった。お客が自分で穴を開けて香りを楽しめるようにしているふたや、飲み口などとして最初から穴が開いているふただ。しかし、お客が自ら穴を開けるものは、開けた部分のゴミが出てしまうし、手間がかかる。かといって、最初から穴が開いているものだと、持ち運びが前提となっているコンビニコーヒーではこぼれる危険性がある。

 そこで、香りフタでは飲み口を開けると香り用の穴が自動的に開く仕組みにした。飲み口を閉じれば、香り用の穴も閉じる設計だ。また、香り用の穴は、飲むときに鼻が当たる場所に設置。ぴったりと鼻に当たるので、直接的に香りを楽しむことにできる。開発については数社のメーカーと協議し、20パターンほどの中から最終的にこのデザインを選択したという。現在特許も出願中だ。当座はブレンドコーヒーのSサイズ(100円、以下同)のみでの提供で、Mサイズ(150円)やLサイズ(180円)、ならびに新たに登場する「メガサイズ」(270円)でも順次対応していくという。


従来のふた

今回新登場の「香りフタ」 特許も出願中

 なぜ、ここまでしてコーヒーにこだわるのか。「我々が先行者であるという自負は間違いなくある」と担当者。実はローソン、コンビニコーヒーの中で先駆者的立ち位置なのだ。今ではコンビニ各社がしのぎを削るコーヒーだが、大手3社の中ではローソンが先行。11年に「MACHIcafe」として提供を開始している。セブン‐イレブンでは13年にセブンカフェを開始、ファミリーマートは同年11月に開始と、いずれもローソンに遅れて市場に参入している。

 担当者によると、コーヒー分野は好調に推移。開始から18年まで7年連続で売り上げが伸びていた。しかし、19年は今のところ横ばいで推移しているという。「セブンがカフェラテを刷新した影響もある」と担当者は分析している。今回のリニューアルには、こうした状況に対する焦りも少なからずありそうだ。周辺を見渡すと、マクドナルドも10月にコーヒーをリニューアル。2年9カ月ぶりとなる今回のリニューアルでは、味を見直すとともにレインフォレスト・アライアンス認証の豆に切り替えたという。増税で消費者の目が厳しくなる中、低価格で高品質を味わえるこうしたコーヒー市場で激戦が起こりそうだ。


メガサイズも新たに登場する
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