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売れるに決まっているダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズ池田直渡「週刊モータージャーナル」(7/8 ページ)

一瞥(いちべつ)したときから「これは間違いなく売れる」と思ったが、案の定その通りで、正味1カ月に満たない11月の車名別販売記録で、堂々4位の7484台(一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ)。しかも受注だけで見れば、発売後1カ月の12月4日時点でなんと驚きの3万2000台(トヨタ自動車発表)。全盛期のプリウス並みの売れ方である。

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 ステアリングの切り始めの遅れ感も少しある。これはブッシュコンプライアンスによる遅れで、ここでも置いていかれた。ただし、本来のダイハツの穏やかな仕立てであれば、トータルとして納得できたと思う。そこをスポーティにした結果粗が目立ってしまった。

 かつ、前述のパワートレインの頑張り過ぎで、脱出でのアクセルオンでトルクがガツンと伝わる。味が濃すぎる。こういうところではレスポンスが過剰なのだが、レスポンスが消える場面もある。田舎道で遅い軽トラに合わせて速度制御をするような場面、特に「もう50センチ車間を広げて速度をそろえる」とか「もう50センチ詰めて速度をそろえる」という微細な制御をやろうとすると、アクセルのリニアリティが着いてこない。先代までのプリウスのような「踏んでも加速しない」「抜いても減速しない」といういわゆるグライディングの挙動がでる。

 つまりある程度以上踏むとガツンとくるし、微妙な操作には反応しないということで、つまりはリニアリティがない。せっかくの新世代CVTなのでこのあたりのセッティングは一考を要したい。トヨタはもうそういうのを止めている。

 さてさて、ロッキー/ライズ、いささか重箱の隅を突つき過ぎた感はある。クルマとして素晴らしいかと言われたらいろいろ細かい問題があるのは書いてきた通りだが、一方で買いかといわれればこれは買いだろう。購入を考える際に気になるのはCVTの制御だけだ。それ以外は、最新トレンドとの差分でしかなく、2年もすればまたスタンダードの方が動いてしまうだろう。まあ筆者が「買い」だなどという以前にすでに大ヒットしているわけだが。

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