モーターショーに女性コンパニオンは本当に必要か――「男性目線マーケティング」で露呈した矛盾:元ドライバーの女性ジャーナリストが斬る(1/4 ページ)
きらびやかな女性コンパニオンが目立った東京モーターショー。「男性に絞った」イメージ戦略は今なお有効なのか? 元ドライバーでもある女性ジャーナリストの筆者が斬る。
来客者数が12年ぶりに100万人を超えた東京モーターショー2019。最新乗用車の公道試乗体験やキッザニアとのコラボレーションもあってか、家族連れが多かったという。
一方、そんな会場内にひしめく各メーカーのクルマに寄り添うように立つのは、今回も多くの女性コンパニオンたちだった。
「場が華やかになるから」「クルマが映えるから」という謎の一般論を無理やり飲み込みながら見学するも、やはりスカート姿でトラックの前に立つ女性に、筆者は違和感しか抱けなかった。
男性社会だった高度経済成長期から大きく様変わりし、女性も自らクルマを買えるほど経済力を持つ現代。ファミリーカーやトラックの前に女性を立たせる意味はあるのだろうか。
ブルーカラー出身の筆者が抱くジェンダー論の観点から、クルマ市場のマーケティングをひもといてみる。
男性ウケ狙った「ひと昔前」のセンス?
男性に人気があるとされる趣味やスポーツ関連商品の隣には、煌(きら)びやかな衣装を身にまとった女性が添えられることがある。
中でもその傾向が顕著なのが、モーターショーやオートサロン(カスタムカーのイベント)だ。これらのイベント会場では、クルマの数よりもコンパニオンの方が明らかに多い。
今回の東京モーターショー2019にも、例に違わず各社趣向を凝らした衣装の女性が勢ぞろいした。
これまでと比べると全体的にシックで知的な印象があるデザインが目立ったが、その一方、大きく空いた胸元の肌に直接社名を刻んだコンパニオンの姿も見られた。
いずれにしても正直なところ、各社が用意したそれらの衣装のセンスは、女性の筆者からすると「着たい」「見たい」「ほしい」というものでは一切無く、どことなく50代前後以上の男性ウケのいい、ひと昔前の衣装センスが用いられていたように見受けられる。
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