大ヒット「こだわり酒場のレモンサワー」に9%の新商品 高アルコール投入、売り上げ5割増を目指す:瓶・缶・業務用で伸長
サントリースピリッツは、2019年に発売したヒット商品「こだわり酒場のレモンサワー」にアルコール度数9%の新商品を投入する。レモンサワー市場の拡大を追い風に、主に30〜60代男性に需要がある高アルコールのラインアップを拡充する。
サントリースピリッツは、2019年に発売したヒット商品「こだわり酒場のレモンサワー」にアルコール度数9%の新商品を投入する。レモンサワー市場の拡大を追い風に、主に30〜60代男性に需要がある高アルコールのラインアップを拡充し、選択肢を増やす。缶の2商品で前年の約5割増の販売を目指す。
新商品は「こだわり酒場のレモンサワー キリッと男前」。3月17日に発売する。また、アルコール度数7%の通常商品もリニューアルし、1月下旬から販売する。
こだわり酒場のレモンサワーは、18年に炭酸水で割るリキュールの瓶商品を発売。売り上げが好調だったことから、19年3月に缶商品を発売した。缶は初年度で978万ケース(1ケースは6リットル換算)を販売。発売当初の計画と比べると、4.7倍もの規模になった。
また、飲食店向けの業務用コンクの販売も好調で、19年は当初の計画と比べると約10倍の実績だった。取り扱い店は19年末の時点で4万5000店。冷えた状態を保てるアルミ製の専用タンブラーを飲食店向けに展開することで、飲用時のおいしさ向上やブランド認知の拡大につながった。
1月9日に開催した記者会見で、同社の神田秀樹社長は「瓶、缶、業務用で一体となった取り組みをしたことで、商品を体験してもらう機会を増やすことができた」と好調の理由を振り返った。こういった取り組みは、「角瓶」や「トリス」などのウイスキーと缶のハイボール商品の展開方法を踏襲しているという。
3月に投入する新商品は、「瓶の商品を濃く作って飲むニーズがあった」(広報担当者)ことから、より飲みごたえのある商品の需要を見込んで開発した。アルコール度数が高くても、レモンの味が強く感じられる中味に仕上げたという。
20年も瓶、缶、業務用の3つを連動させながら訴求することで、レモンサワー市場のさらなる活性化を図る。缶は前年比46%増の1430万ケース、瓶は10%増の70万ケース、業務用は24%増の18万ケースを目標として掲げる(缶と瓶は6リットル換算、業務用は10.8リットル換算)。
レモンサワー市場は拡大しており、19年10月にはコカ・コーラのレモンサワー専門ブランド「檸檬堂」も全国発売。アルコール度数3%、5%、7%、9%の4商品をそろえ、幅広いニーズに対応している。味わいやアルコール度数など、好みに応じた商品ラインアップがそろってきたことで、さらに市場が盛り上がっていきそうだ。
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