「少しの酒は体にいい」を疑う新常識 安くてすぐ酔える“高アルコール”人気の陰で:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
間もなく忘年会シーズンが始まる。低価格の高アルコール飲料の人気が高まっていることもあり、酔っぱらう人も増えそうだ。一方、「少量の酒は体にいい」という定説の中に、正しくないものがあるとの指摘がある。正しく理解して酒と付き合うためには……
「酒が人間をダメにするんじゃない。人間はもともとダメだということを教えてくれるものだ」
落語家の立川談志が残したとされる言葉だ。つまり、酒を飲もうが飲むまいが「人間はダメ」なのだが、酒を飲めばそのダメさが出てきてしまうということだ。
現代でも、酒は私たちが思っている以上にダメさを引き出し、日常生活やビジネスでネガティブな効果をもたらしている。
間もなく師走に入り、忘年会シーズンがスタートするビジネスパーソンも多いだろう。居酒屋などで忘年会というパターンもあるし、自宅でパーティーを行う場合もあるはずだ。さらに、正月を挟む休日シーズンになると、家飲みなどの機会も増えるのではないだろうか。
今、アルコール市場の売れ筋も変わりつつある。ビールの人気が落ちているのだ。2019年1月にビール大手5社が発表したビール類出荷量は、14年連続マイナスとなっている。その一方で人気なのが、値段は抑えめでもアルコール度数の高い缶酎ハイやカクテル、ワインなどだ。10月から消費税が10%になったこともあり、この傾向はさらに強まるとも言われている。手っ取り早く酔っぱらいたい人が増えているということだ。
とにかくこれから酔っぱらいが増えることになりそうだが、談志師匠が言っているように、酒を飲んだら「人間はダメになる」パターンも少なくないだろう。ただそんなことを言うと、「適量なら酒は体にいいらしい」などと反論する向きもあるかもしれない。
ところが最近では、「酒は体にいい」といったこれまでのアルコールに関する定説のようなものの中に、実は正しくないものがあるとの指摘がある。そこで今回は、アルコールが人体や社会生活に及ぼす本当の「影響」を取り上げてみたい。ビジネスパーソンが忘年会シーズンを有意義に過ごすヒントになるはずで、ビジネスの世界で生きていく上で飲酒についてあらためて冷静に考える機会にしてほしい。
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