SNS担当者は「中の人」から「そばの人」へ? そのために知っておくべき「3つのM」とは:企業SNS「中の人」がいま考えるべきこと(2/3 ページ)
SNSは、今や必要不可欠な存在となっている。企業側も、マーケティング手法の一環として活用するのが当たり前の時代になってきた。消費者との新たな関係性を築ける一方で、いわゆる「中の人」がトラブルになったり反感を買ったりしてしまうケースも。電通メディアイノベーションラボ主任研究員を務め、SNSに詳しい天野彬氏は、これからの企業SNSは「中の人」よりも「そばの人」になるべきだと解説する。そのために必要な「3つのM」とは。
「中の人」が知っておくべき「3つのM」
SNSごとの特性を踏まえつつも、それらにまとめて適用できるような一般的な企業SNS運営の方針はないのでしょうか。筆者は、「3つのM」がキーワードだと考えています。
3つのMは、まず「Monitor(観察すること)」、そして「Mingle(交流すること)」、最後に「Measure(測定すること)」です。
Monitorはいわばソーシャルリスニングのことで、ユーザーがどんなコミュニケーションをしているのか、そこで何が話題になっているのか……をしっかり把握することを指します。
Mingleとは、他のアカウント/ユーザーとの交流によって関係性を深めていくこと。コメントにコメントで返信するといったものだけでなく、「いいね!」を付けたりリツイートで拡散してあげたり、何らかのかたちでアグリゲート(集約)してあげたりといったことを広く包含します。
Measureは、最適な運営に近づけていくために、PDCAを回すことを指します。趣味でやっているのであれば別ですが、何らかの事業的な目標を伴う場合には必須の工程となります。
この3つのMをうまく使いこなすことが、企業SNSの運用におけるポイントです。企業SNSの勃興のタイミングの1つは、2000年代後半からTwitterやFacebookを中心に「中の人」ブームが起きた辺りに見定められるでしょう。東急ハンズやローソンなど数多くの名物アカウントも生まれ、マーケティング業界でもこうした取り組みの注目度は高まっていきました。その一方で、期待に見合った成果が得られず、更新を中止してしまったアカウントもありました。20年現在は、そのような熱狂期、失望期を経過して「安定期」にあるといえるでしょう。過度な期待感に突き動かされたわけではない堅実な期待水準の設定、そのための運営の方法が型として定着しています。
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