「おにぎり100円」「コーヒー80円」のミニストップ 値下げ以外に求められる“大改革”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)
「おにぎり100円」に続き、コーヒーを80円に値下げしたミニストップ。相次ぐ値下げで一定の成果は出てきている。大きく引き離された大手3社に追い付くために必要な戦略は?
コーヒー値下げの効果は?
店内調理の商品にも新たな動きがある。ホットスナックでは1年ぶりに復活したもちもち食感の「ビッグドッグ」、スイーツではソフトクリームがチーズケーキの上に載った「バスク風チーズケーキソフト」を1月24日に発売。どちらもオリジナリティーがあり、コーヒーとの買い合わせが楽しくなる商品に仕上がっている。
コーヒーを値下げした効果は出ているのか。「コーヒーの売り上げ増は数%程度で、顕著には動いていない」(同社・広報)とのことだが、末永くミニストップを愛する常連づくりを見据えた戦略とのことだ。
おにぎり100円の効果は?
「おにぎり100円」は、大きな効果があった。競合他社の相次ぐ値上げで、1個の価格は120〜130円が普通になっている。しかも、かつてセブンが毎月のように行ってきた100円セールを取りやめていく流れにあるからだ。
値下げをして利益を出すために、品目を25〜26種類から15種類にまで絞り込み、工場と配送の効率化を推進。地域のお祭りなどの特注需要も出てきた。
おにぎりの販売個数は2倍となり、おにぎりにプラスしてカップ麺やサラダ、スープなどの総菜を買い合わせる人も増え、食品売場の活性化にまで寄与している。
しかも、170円前後で販売されている店内調理のおにぎりの売れ行きには影響が出ていない。しっかりとすみ分けができている。
今回のホットコーヒー80円は、おにぎり100円の際のインパクトを再び狙っている。サンドイッチはおにぎり100円によって売り上げが減った商品だが、マイナスの影響を受けてしまった商品の売り上げを取り戻す側面もある。
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