昆布を食べて収入が4万円アップ? ゲーム開発会社が「“年収を上げる食事”提案サービス」を展開するワケ:大事なのは「見える化」(1/2 ページ)
ゲーム開発会社のシグナルトークが1月29日、“年収が上がる食事”をAIが提案してくれるサービス「WorkUp AI」を開始する。月額課金制で、価格は毎月9800円(税別)。いったいどんなサービスで、どんな狙いがあるのか?
食べると収入が上がりそうな食事を、人工知能(AI)が提案してくれる――。ちょっと不思議な月額課金サービスを、ゲーム開発会社のシグナルトーク(東京都大田区)が1月29日から始める。サービス名は「WorkUp AI」で、月額利用料は9800円(税別)。
ユーザーが「はい」「いいえ」の2択で質問に答えていくと、AIが食生活や健康度を分析。生活習慣の分析を通して、独自のスコア「W-Score」を算出。ユーザーの生涯収入や「健康偏差値」などをシミュレートし、ユーザーごとに、収入が上がりそうな食事を提案していく仕組みだ。
提案があった食事をユーザーが採用するごとに、そのレシピに設定された額の収入がどんどんとWorkUp AI上の生涯収入に加算されていく。例えば、昆布を使ったレシピには「4.12万円」という金額が設定されており、これを「食べる」とリアクションした場合、WorkUp AI上の生涯収入が4.12万円アップする。
分析や提案する食事、そしてレシピに設定する収入アップ額には、これまで同社が分析した5000人以上、50万通り以上の食生活などのデータを活用。統計解析は、大阪市立大学や民間企業と共同して行ったという。
なぜ、食事で収入が上がる?
なぜ、食事すると収入が上がるのか。これには「健康」が深く絡んでいる。そもそも同社の真の狙いは、ユーザーの収入を引き上げることではなく、ユーザーの健康の増進と、仕事パフォーマンスの向上だ。健康的な食事をとれば、心身の調子が良くなる。そうすると、仕事のパフォーマンスが上がる。パフォーマンスが上がれば、結果的に収入も上がる、という主張を同社はしている。
もともと同社は、ゲーム開発企業。これまでにはオンライン麻雀ゲーム「Maru‐Jan」などを展開してきた。栢孝文社長によると、「Maru‐Jan」は2004年の開始以降、現在は120万人以上の会員を抱え、通算売り上げは80億円超にのぼる。
その後、認知症の早期発見ができるWebサービス「脳測」を中心に、数々のアプリやゲームを開発してきた。栢社長は「『麻雀をするとボケ予防につながる』といった情報を見たのが、健康関係のサービスを始めた1つのきっかけ」と話す。「世の中にはさまざまな健康情報があふれている。科学的に根拠があるものから、俗説といえるものまで、本当にさまざま。その中で、どれが正しく、どれが誤っているのか、『健康の真実』を確かめる必要性を感じた」(栢社長)
こうした背景から、14年には健康に関する情報を発信するサービス「my healthy」をスタート。同サービスでは、「しょうがは風邪予防に効果的」「ナッツは睡眠によい効果をもたらす」といった健康に関する情報を28万件以上リストアップ。医師や管理栄養士、科学ライターらと協力して、アンケートなどから情報を仮説検証した。そのうえで、「科学的に正しい」といえる情報を発信していると主張する。
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