転職で給与が上がった人は約3割 給与が上がりやすい職種は?:リクルートエージェントの利用者対象
転職で賃金が上がった人の割合は約3割だったことがリクルートキャリアの「2019年10−12月期 転職時の賃金変動状況」で分かった。同調査はリクルートエージェントの利用者を対象に、同社が定点観測しているもの。賃金が上がった人の多い職種とは?
リクルートキャリアは1月29日、「2019年10−12月期 転職時の賃金変動状況」を発表した。同社が提供する転職支援サービス「リクルートエージェント」における「転職決定した人は、転職前後でどのように賃金が変動しているのか」に着目した分析で、「前職と比較して賃金が1割以上増加した人の割合」を定点観測している。
19年10〜12月に転職決定した人のうち、賃金が前職から1割以上増加した人の割合は、29.6%だった。前年同期比で0.2ポイント減。年度別に見ると、賃金が増加する人の割合は緩やかに上昇している。リーマンショックなどの影響もあり09年度は18.9%と大きく落ち込んだが、以降はおおむね20%台後半で推移しており、18年度は30.1%だった。
対象の職種別に見ると、最も割合が高かったのは「接客・販売・店長・コールセンター」で、38.4%。前年同期比で1.8ポイント上昇した。最近は、むちゃな要求やクレームをするお客の「カスタマーハラスメント」が問題視され始めているが、直接的にお客とかかわる場面が多い職種では依然として人手不足が続く。帝国データバンクが1月に発表した調査結果では、19年にいわゆる「人手不足倒産」をした件数が最も多かったのが「サービス業」。人手不足を解消するために、好条件で採用をする企業も多そうだ。
次いで割合が高かったのは「IT系エンジニア」で、30.6%の人が転職後に賃金が上がった。前年同期比で0.5ポイント増。年度別に見ると、14年度以降一貫してポイントが上がり続けている。これは調査対象の職種のうちIT系エンジニアのみで、企業側のIT人材に対する高いニーズがうかがえる。
その他の職種は、「営業職」が28.2%(前年同期比0.9ポイント減)、「事務系専門職」が27.8%(同0.4ポイント減)、「機械・電気・化学エンジニア」が25.3%(同4.1ポイント減)だった。
割合は、「転職決定者合計」を「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数」で除し、100を乗じて算出する。前職の賃金は残業代など「変動する割増賃金」を含む一方、転職後の賃金にはそれらを含んでいない。そのため、前職から賃金が1割以上増加した人の割合は、実態よりも低めになる傾向がある、と同社は補足している。
関連記事
- 課長の平均年収は932万円、部長は? 外資との「格差」も明らかに
日本で活動する企業の報酬状況が発表。日系企業と外資系企業合わせて679社が参加した。調査結果では課長職や部長職の平均年収も明らかになった。日系企業と外資系企業の報酬格差も合わせて発表し、特に役職者以上で顕著な開きがあった。 - それでも“インフルエンザ出社”がなくならないワケ くだらない「武勇伝」づくりはもうやめよう
インフルエンザが流行する季節になった。その感染力の強さから、り患した場合には自宅で静養することが望まれる。学校などでは出席停止の措置が義務付けられており、熱が下がったからといってすぐに登校できるようにはならない。一方、職場では「季節性インフルエンザ」に関する明確な規定がない。そのため、インフルエンザになっても無理を押して出社する人も少なからず存在する。また、熱が下がれば「すぐに出社しないと」といった空気も存在する。なぜ、はた迷惑な「インフル出社」が起こってしまうのか。 - 少なすぎる残業に要注意! 組織を崩壊させる「粉飾残業」のあきれた言い訳と手口
2019年4月に施行された働き方改革関連法案で、大企業を対象に残業規制の強化がなされた(中小企業は20年4月施行)。すると、今までは多すぎた残業が、今度は少なすぎるという問題が起きているという。残業規制をかいくぐる悪質な「粉飾残業」とは? - 年収1000万円以上でも「現実は厳しい」が半数以上 既婚高収入男性の「おこづかい制」率は?
年収1000万円以上の男性に関する調査が発表。既婚男性を対象に、家庭のお財布事情を調べた。勝ち組と目されることも多い年収層でも「現実は厳しい」と回答した人は多かった。おこづかい制の割合に関しても調査を行った。 - 「転職が前提」ではないキャリア相談、パーソルキャリアが開始 B2Cでもコーチングは広がるか
総合人材サービスを手掛けるパーソルキャリアは10月31日、展開しているハイクラス人材向けプラットフォーム「iX」において、キャリア相談に関するサービス「クラウドキャリアコーチ」を開始した。1回30分程度の電話によるコーチングを4回、1万9800円(税別)で提供する。「転職」を前提とせずにコーチングすることで、キャリアに関する幅広い選択肢をユーザーに提供する狙いがある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.