沖縄のケンタッキー「ご飯と生ビールの提供も検討」 、社長が語った沖縄の戦略(2/3 ページ)
ケンタッキーフライドチキンの主力商品「オリジナルチキン」の消費量が県民1人当たり全国一の沖縄県。日本ケンタッキーフライドチキンの近藤正樹社長は、このような沖縄の現状や今後の戦略についてどう考えているのか。
――日本にケンタッキーが上陸して今年で50年を迎えますね。周年で考えている仕掛けはありますか。
「今年は東京オリンピックがあるので、インバウンドの対応にキャッシュレス決済を強化します。ただ、ケンタッキーの店舗があることにそもそも気付いてもらわないといけません。そのために、インバウンドの方がよく閲覧、検索するグルメサイトや観光サイトなどでPRしていきたいと考えています。海外旅行中に知っているお店を見つけると安心しますよね。国産のフレッシュなチキン、世界的ブランドの安心感、和食より安心できる食事、日本だけの限定メニュー『和風チキンカツサンド』をアピールしていきます」
――沖縄だけの仕掛けも考えていますか。
「沖縄は車社会。店舗にも車で来てくれる方が多いので、テレビCMはもちろんですが、ラジオCMをもっと活用していきたいですね。他県とは違う戦略です。沖縄では年末の納会などでもケンタッキーのケータリングを活用してくれているので、こちらも継続してアピールしていきます。ゲートボール大会の協賛も始めています。沖縄の高齢者の方もケンタッキーのチキンを喜んでくれています」
営業利益5倍に ライバルはスタバ?
――2019年4〜9月までの連結決算で、営業利益が前年同期に比べて約5倍の24億6600万円に上りました。業績はV字回復しています。要因は?
「夏に500円ランチを始めたんですね。ケンタッキーは大人数でクリスマスに食べるというイメージがあって、普段使いをするには、敷居が高かったかもしれません。若者をはじめ、女性も多く利用してくれるようになりました。分かりやすい値段設定にしたのも良かったと思います」
――ランチなのに、時間も午前10時から16時までと長めに設定されています。なぜですか。
「朝食を食べていない人もいれば、遅めの時間にランチを食べる人もいます。その人たちも取り込みたかったのと、午後2時から4時のケンタッキーの店舗にはほぼ人が居なかったんですよ。その時間は、コーヒーやデザートが求められるので、正直スターバックスにお客様は流れて負けてしまう。だからこそ、ニーズがあると思いました」
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