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橋下徹が語る「究極の人間関係術」――集団内の「権力者」を見極めよ橋下徹“異端”の仕事術【2】(4/5 ページ)

この連載では大阪府庁、大阪市庁という巨大組織を率いたリーダー、橋下徹の仕事術をお届けする。組織を変革し、停滞の一途をたどっていた大阪を、圧倒的な実行力で立て直してきた橋下の働き方についての考え方に迫る。第2回目は、組織の中でうまく立ち回るために、集団内の「権力者」を見極めるべきだと主張する橋下に、「人間関係術」について語ってもらった。

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組織の「見えないオキテ」を見抜け

 強い人は、やはり味方につけるべきです。例えば企画を通したいときには、その人に先に意見を聞いておく、あるいはトラブルが起こったときに、その人に真っ先に相談するなど、仕事がうまく回るよう立ち居振る舞うことは、ビジネスパーソンとしての知恵の一つです。その人と自分が近しいということが周囲に伝わるだけで、あなた自身が一目置かれるようになるということも、大いにありえます。

 このようなことを否定的に捉える人も多いでしょうが、組織内の微妙な力関係を観察しながら立ち回ることは、組織内において自分の能力をより大きく開花させるための一処世術であって、まったく恥ずべきことではありません。

 これは組織内の仕事にとどまらず、取引先と仕事をする上でも役に立ちます。取引先の組織内においてどんな力関係が働いているのかをしっかりと観察するのです。そうすれば「この人さえ説得できれば話が通りやすい」というキーパーソンが見つかり、取引をより円滑に進めることができるでしょう。

 もしあなたが、組織の中で自分だけが浮いていて、「職場になじめない」と不安に感じているのなら、それは組織内の不文律、つまり「見えない掟(おきて)」に気づいていないからかもしれません。

 どんな組織にも、表からは見えないルールや秩序や慣習、つまり「見えない掟」のようなものがあります。一つの組織に属するというのは、言い換えれば、その組織特有の掟を守るということです。「掟」なんていうと大層なことのように感じるでしょうが、たいていは、取るに足らないような些細(ささい)なものも多いです。

 でも、その些細な掟に気づくことができるかどうかが、その組織内でうまく立ち回れるかどうかを左右するのです。それができない人は、周囲から「なんだ、こいつは?」という目を向けられてしまう。多くの場合、これが「自分だけ浮いている感じ」の正体です。

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表からは見えないルールや秩序や慣習という「見えない掟」に気付けるか?(写真提供:ゲッティイメージズ)

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