人手不足でも「人数より質」の企業は増加 インターン参加者を優遇する企業は7割超 21卒の採用動向:20卒は8割ほどの企業で採用終了(2/2 ページ)
21卒の採用動向に関する調査結果が発表。今回から経団連のルールが廃止となったが、大きな変化はなさそうだ。20卒の採用は8割以上が終了している。大企業ほど、終了した割合は高かった。
人手不足でも「人数より質」増加
採用活動のスタンスについては、例年同様「採用予定人数の確保よりも、学生の質を優先」と答える企業が多く、77.8%が回答。「学生の質よりも、採用予定人数の確保を優先」と答える企業は11卒の「3.5%」から19卒では「25.3%」へと、9年で7倍ほど増加していた。ただ、20卒では「25.2%」へ0.1ポイント減少。今回はさらに減少しており、人手不足ではあるが、「人数より質」を求める企業が増えつつあるようだ。
21卒の採用テーマについては、人手不足による内定辞退なども考慮してか「母集団の拡大」を掲げる企業が最多で20.6%だった。2位には「3月より前(プレ期)のアプローチ・つなぎとめ」(17.5%)が挙がった。いかに早く学生へアプローチし、長くつなぎとめられるかが企業側のポイントになりそうだ。
インターンシップの実施状況は?
19年度(19年4月〜20年3月)にインターンシップを実施した企業は77.2%。前年度の74.9%から2ポイントほど増えた。実施率は大企業になるほど高い。従業員数が299人以下の企業では61.3%だが、300〜999人の企業は82.0%。1000人以上の企業では91.6%と、9割以上の企業がインターンを実施した。
インターンの期間は「1日以内」が断トツで85.0%。ただ、前年度の86.4%から減少している。一方でポイントが大きく上昇したのが「2〜4日間」で26.0%。前年度から6ポイントほど上昇した。実施時期は、多くの企業が説明会を開催する直前の2月が最多で73.1%。学生の夏季休暇時期である8月も多く、62.5%の企業が回答した。
インターンへ参加した学生を採用で優遇する企業は全体の75.4%。具体的な優遇策は「非参加学生の選考よりも早い時期に選考」が最多で51.2%。他にはインターン学生限定のセミナー等を開催する(45.6%)、「面接の回数を減らす」(25.5%)が挙がった。
調査では、20卒の採用状況も質問。全体のうち、採用活動を終了した企業の割合は82.4%だった。企業規模別に見ると、大企業ほど採用活動を終了した割合が高い。業界別では、「金融」が90.9%で唯一9割台に乗せた。最も低かったのは「サービス業など」で72.8%。
調査は20年1月27日〜2月5日の期間、インターネット上で実施。全国の主要企業1万4156社を対象にし、1317社から回答があった。
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