バンドエイドが就活生にスニーカー配布 「靴擦れでつらい」8割が経験:約1時間で配布終了
「バンドエイド」を展開するジョンソン・エンド・ジョンソンは、就職活動でスニーカーを活用する「スニ活」を支援する取り組みの第2弾を実施。移動中の“靴擦れ”に悩む就活生が多い現状を踏まえ、駅広告を使ってスニーカーを無料配布した。
ばんそうこうブランド「バンドエイド」を展開するジョンソン・エンド・ジョンソンは2月26日、就職活動でスニーカーを活用する「スニ活」を支援する取り組みの第2弾を開始した。移動中の“靴擦れ”に悩む就活生が多い現状を踏まえて、「スニーカーをはく」選択肢をPRするとともに、駅広告を使ってスニーカーを無料配布。用意した52足の配布は約1時間で終了した。
同社は2019年から「スニ活」を応援している。もともとは、靴擦れに悩む就活生に向けて、ばんそうこうの広告を打っていたが、社内で議論を深めるうちに「そもそも靴擦れなんてない方がいい」という結論になり、スニ活支援へ舵を切った。「#スニ活」キャンペーンサイトを開設し、スタイル提案などを実施してきた。(関連記事)
今回、就活生の靴擦れの実態を探るため、現役就活生、就活経験者、採用担当者計600人に調査を実施。その結果、現役就活生の77%が「就活靴で靴擦れになった経験がある」と回答。さらに、その中の17%が「血が出たことがある」と答えた。また、「水ぶくれができた」「足の皮がめくれた」といった声もあった。
スニーカーでの就活については、現役就活生の55%が「マナーがないと思われるから、スニーカーで就活しなかった」と回答。一方で、採用担当者の79%は「説明会や面接で就活生がスニーカーをはいてきても気にならない」と答えた。
「スニ活」については、採用担当者の77%が「今年の採用活動で取り入れてみたい」と回答したが、実際にスニ活を積極的に発信している人は14%にとどまった。
こういった現状を踏まえて、スニ活をもっと広く知ってもらうため、2月26日から小田急下北沢駅の構内に広告を掲出(3月3日まで)。広告の下部には、自由に持ち帰ることができるスニーカーを52足設置した。
26日正午にスニーカー配布を始めたところ、約1時間で終了したという。スニーカーがなくなった後には、「社会へ踏み出す大事な一歩を、靴ずれに邪魔して欲しくない。就活にスニーカーという選択肢を。踏み出せ、就活生」というバンドエイドからの応援メッセージが現れる仕組みになっている。
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