「管理職になりたくない」83%、理由は?
「将来、管理職になりたい」と考えているビジネスパーソンはどのくらいいるのだろうか。20〜50代の男女に聞いたところ、全体の8割が「なりたくない」と回答した。マンパワーグループ調べ。
働き方改革に伴って、労働時間を短縮したり、休暇取得を推進したりしているものの、現実は難しい。そのしわ寄せは管理職に向けられているといったケースは少なくないようだが、こうした状況で「管理職になりたい」と考えている一般社員はどのくらいいるのだろうか。
現在、役職についていない20〜50代の男女(正社員)に「今後、管理職になりたいか」を聞いたところ、83.0%が「なりたくない」と回答していることが、マンパワーグループの調査で分かった。
「管理職になりたくない」と答えた人に、その理由を尋ねると「責任の重い仕事をしたくない」(51.2%)が最も多く、次いで「報酬面でのメリットが少ない」「業務負荷が高い」(いずれも40.4%)。「責任範囲や業務負荷が増える半面、時間外労働の適用はされないという点が、管理職になりたくない要因といえそうだ」(マンパワーグループ)
年代別で見ると、20代(62.5%)、30代(62.3%)の約6割が「責任の重い仕事をしたくない」を理由に挙げていて、全体の回答率よりも1割ほど高い。20代は「部下の育成に興味がないから」(31.9%)、30代は「面倒な調整業務などが増えそうだから」(39.0%)が全体より高い傾向にあることから、「若手世代ほど、自身がプレーヤーとして動ける環境を求めているようだ」(同)
管理職になりたい理由
一方、「管理職になりたい」と答えた人に、その理由を聞いたところ「報酬が増える」(88.2%)が最も多く、次いで「自分が成長できる」(66.2%)。「報酬という現実的な面がある一方で、責任ある立場を任されて自己成長していきたい、という思いもあるようだ」(同)
3位は「会社から評価されていると思える」(25.0%)、以下「大きな仕事にチャレンジできる」(23.5%)、「より大きな影響力を周囲に与えることができる」(20.6%)という結果に。
インターネットを使った調査で、20〜50代のビジネスパーソン400人が回答した。調査時期は2月。
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