新型コロナで見直された“最重要食品”とは? 巣ごもり消費と防衛消費の意外すぎる実態:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
新型コロナの流行は小売業にどのような影響を与えたのか。百貨店が苦戦する一方で、コンビニは堅調。スーパーやドラッグストア以外に売り上げを伸ばした業界とは?
新型コロナの流行は小売業にどのような影響を与えたのか。室内で過ごす“巣ごもり消費”の拡大で、主要3業種では、スーパーが食品を中心に伸長。コンビニはほぼ前年並みで堅調。百貨店はインバウンド消費の激減によって苦戦している。
一方、マスクやトイレットペーパーを買い求める人の急増で、ドラッグストア、ホームセンターの売り上げが急伸。ドラッグストア業界において、2〜3月は花粉症対策グッズの需要が高まるので、売り上げが伸びる時期に当たる。それに、新型コロナ対策の需要がオンされた。ホームセンターは震災や台風被害など、災害に強い業態の特性が今回も発揮された。
各業界の状況はどうなっている?
2月の既存店売上高を見ると、次のようなチェーンでは前年同月比で2桁増を記録している。スーパーの「ヤオコー」、ドラッグストアの「ウエルシア」「スギ薬局」「サンドラッグ」「コスモス」、ホームセンターの「コーナン」「島忠ホームズ」などである。
もちろん2020年2月は閏(うるう)年で営業日が1日多かった点は考慮すべきだ。しかし、19年10月の消費増税以降、景気は冷え込み、小売業が前年同月の売り上げを上回るのは困難な情勢が続いていた。スーパー、ドラッグストア、ホームセンターに特需が起こったとみられる。
消費増税以前から苦戦している総合スーパーの「イオン」や「イトーヨーカ堂」でも、2月はしっかりと前年同月の売り上げを超えてきた。
コンビニの「セブン-イレブン」「ミニストップ」は前年同月より微増。「ファミリーマート」「ローソン」は微減。コロナショックでも売り上げにあまり変化がなく、影響をほとんど受けなかった。それだけ、国民の生活に密着したインフラになっているということなのだろう。
百貨店は苦しい。「三越」「伊勢丹」「高島屋」「大丸」「松坂屋」「西武百貨店」「そごう」「阪急百貨店」「阪神百貨店」などの大都市旗艦店の2月の既存店売上高は軒並み2桁減だ。
「食品がちょっと良いくらい。とにかくお客さまが激減しているので、新型コロナが収束するまでなかなか見通しも立たない」(三越伊勢丹・広報)と、危機感を募らせている。
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