好調ワークマン、コンビニと一線画す「秘密のフランチャイズ」戦略に迫る:コンビニオーナー“大反乱”の真相(1/4 ページ)
コンビニ業界で限界が指摘される「フランチャイズ」方式。他の小売り業界では果たしてどうか。作業服大手のワークマンのケースを探る。
24時間営業問題などさまざまな課題を抱え、批判の対象にもなっているコンビニのフランチャイズ(FC)ビジネス。では、他の業界でFCは一体うまくいっているのだろうか。
一般社団法人・日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)によると、FCの店舗数は26万強で、うち小売りが11万強だ。そのうちコンビニは約5.8万店(いずれも2018年度)で大きな存在感がある。ただ、FCという業態はコンビニ以外の小売りや飲食、サービス業でも広がっている。コンビニのFCを巡る本連載の第3回は、小売業のなかでも作業着などを手掛け破竹の進撃を続けるワークマンの店舗戦略から、コンビニにも通じるFCの課題と可能性を探る。
「おしゃれな新商品」だけでない店舗戦略とは
ワークマンといえばもともと作業着の小売りだが、近年ではそれをベースにアウトドアでも使えるアパレルにも進出し、店舗数も売り上げも年々伸ばしている。作業着などを求めプロの職人が行く既存店の「ワークマン」に対し、取扱商品は同じだが、女性・若者向けに「見せ方」を変えた新業態「ワークマンプラス」が話題で、メディア露出も多い。
全国856店(2月末現在)のうち直営店は20店ほどで、大半がFC加盟店である。加盟店による商品仕入額が、買掛金ではなく本部からの借入額として記帳される特殊な会計方式(オープンアカウント)や、本部と加盟店とが粗利を分け合う仕組み、毎日の売上送金など、ワークマンのFCのシステムはコンビニと根幹部分で共通する。
では、コンビニで噴出する諸課題はワークマンには無いのか。そしてどのように対処しているのか。機能的でおしゃれな新商品や斬新な販売戦略にスポットが当たりがちな同社だが、フランチャイズ展開の施策と課題という視点から、同社の加盟店推進部で店舗開発を担当する八田博史部長に話を聞いた。
ワークマンでは、コンビニとは違って、調査にもとづいた商圏設定から同社がまず店舗を建て、その後オーナーを募集する仕組みを取る。もし経営者が決まらなければそのまま直営店として開店し、直営店として店舗運営を安定させた上で、ふさわしいオーナーが見つかれば経営を引き継ぐという。
オーナー探しについて八田部長は 「『やりたい』という人はかなり来ているが(適性は)面接で見極めています。(オーナー希望者のうち)小売り、販売は未経験という人が6割で、トラックのドライバーや製造業、競輪選手やミュージシャンだった人もいます。(小売りの)経験があればいいとも限らず、経験が邪魔することもある」と話す。
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