コラム
結局、キャッシュレスは誰のためなのか(2/3 ページ)
消費税増税の対策として大々的に打ち出されたキャッシュレスによる還元事業。PayPayをはじめとして、ド派手なキャンペーンが繰り広げられているが、実態はどうなのだろう。
実際の効果はどうだったのだろうか。かなり残念な結果となっている。
「キャッシュレス・消費者還元事業への参加による売り上げ効果」
- 「非常に効果があった」5.8%
- 「効果があった」32.9%
- 「あまり効果がなかった」38.3%
- 「効果がなかった」23.0%
となっており、なんと6割以上は効果がなかったとしているのだ。さらに、売り上げではなく、新規顧客の獲得にはどうつながったのだろうか。
「キャッシュレス・消費者還元事業への参加による顧客獲得の効果」
- 「非常に効果があった」5.6%
- 「効果があった」31.1%
- 「あまり効果がなかった」39.4%
- 「効果がなかった」23.9%
と、これまた6割以上で効果はなかったとしている。では、売り上げや顧客という、マーケティング的な効果はなくとも、業務効率はどうなのだろう。これは現金を扱わなくていいのだから、かなり改善することが予想されるし、マスコミでも評論家の先生たちは、キャッシュレスで業務効率を上げると熱弁される人も多かった。
「キャッシュレスの仕組みを導入・追加したことによる業務効率化の効果」
- 「非常に効果があった」8.1%
- 「効果があった」31.2%
- 「あまり効果がなかった」30.2%
- 「効果がなかった」30.5%
残念なことに、売上拡大、顧客獲得同様の結果となってしまった。
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