世界一規律正しい日本人が、「外出自粛」の呼びかけを無視するワケ:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
「不要不急の外出は控えてください」――。政府、自治体、医療関係者などが何度も訴えているのに、なぜ日本人は外出してしまうのか。筆者の窪田氏はマスコミの報道に原因があると見ていて……。
「外出自粛に従わないで出歩く若者がウイルスを撒(ま)き散らしていると叩かれているのに、このジジババたちはいいのかよ」――。
いよいよ国が「緊急事態宣言」を発出する中で、SNSで拡散されたある写真に、若者たちが怒りの声をあげている。その写真とは4月4日、「おばあちゃんの原宿」として知られる「巣鴨地蔵通り商店街」で撮影されたもの。毎月4のつく日に開催されている恒例の縁日に、多くの高齢者が訪れて、楽しそうに商店街を歩いているのだ。
現在、国、自治体、そして医療関係者が「医療現場が悲鳴を上げているからこれ以上、感染を広げないように外出を自粛して」と喉を枯らして訴えている。しかし、これに従わない「バカ者」もいる。政府や東京都の説明ではこれは、主に学校が休校になったことで、渋谷に遊びに行くような十代や、繁華街で飲みに行っている若い世代だという。
ただ、この写真を見れば、必ずしもそうではないことがよく分かる。事実、クロス・マーケティングが3月27〜29日にかけて、全国の20〜69歳の男女計2500人にWeb上でアンケートを取ったところ、商業施設への買い物、外食、旅行、トレーニングという主に外出が伴う活動11項目で全てトップなのは60代で、20代のほうが圧倒的に外出自粛していることが分かっている。
要するに、「ウィルスを撒き散らしているのは若者」という話は、政治家の「票田」である高齢者へ配慮するためのスケープゴートであり、「老いも若きも外出自粛に従っていない」というほうが実態に近い可能性があるのだ。
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