ギャンブル系の“遊び方改革”が進展、ネット率が半端ないのは?(2/3 ページ)
中央競馬では、2月29日から無観客でのレースが行われているが、馬券の売り上げはかなり健闘しているという。 なかでも、3月30日に行われたG1の高松宮記念は、なんと前年プラスの売り上げだったというから驚きだ。
この要因はなんといってもネットでの投票の浸透だろう。2012年に始まった地方競馬のネット投票は、中央競馬のネット投票とともに伸び続け、完全にメジャーの購入方法となった。(いまでは、海外のレースなども購入できるようになっている)
その証拠に、競輪は苦戦している。同じように無観客になったとたん、売り上げは約4割減少しているそうだ。関係者は、ネットへの対応の遅れを指摘する。
パチンコ業界も苦戦だ。15兆8000億円の売り上げがあるとはいえ、4年間で2割程度のマイナスだ。これは、ネットでどうこうできるものではないが、いわゆる「ギャンブル系」での「遊び方改革」がじわじわと進展しているのだろう。
2018年度のBtoCにおける日本国内のEC市場規模は17兆9845億円とされており、1位はダントツで、2018年度1兆5000億円を上げるアマゾンなのだが、中央競馬会だけで、EC率を70%としても約2兆円あることになり、アマゾンを軽く超えている。
まさに、ECの隠れ1位だ。
ネットでの購入のほうが、リアルで馬券を買うよりも高額になるというデータもあるそうで、「ポチ」の手軽さが、購入障壁を下げているといえる。
こうなると、今後の展開もかなり変化がありそうだ。
来場者が少なければ、周辺のビジネスは基本的になくなる。人が来ることを前提にしたビジネスは多く、競馬場内や近隣での飲食、駐車場もあれば、アナログの代名詞、競馬新聞もある。
競馬場に人が来なければ、おカネが落ちることもない。
その代わり、ネットでのビジネスにはチャンスがある。競馬の開催日には、何十万人がサイトに訪れ、お金を落とすのだから、この人たちへの価値提供は可能だろう。付帯情報として必須の競馬新聞は、すでに、紙からWebメディアへとかなり移行している。
また、レースの在り方にも変化がありそうだ。極端な話、無観客でできるとなると、1日のレース数や開催日にも変化が訪れるだろう。
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