自粛要請に振り回される「3密4業態」 ライブハウスやナイトクラブの“悲痛な声”に迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
新型コロナの感染拡大で夜の飲食店などが苦境。現場からはどのような声が聞こえるのか。取材の結果は。
メイドカフェにも影響
京都・二条の「グローリー」は、4月1〜26日のイベントを中止している。3月も17本のライブがキャンセルとなった。ライブができないので、4月13日17時までの入金締切で、公式WebサイトでオリジナルTシャツなどの販売を行っている。さらに、クラウドファンディングやライブ配信など、できることは全て行うという覚悟だ。
ライブハウス各店は、ミュージシャンの活動の場を守るためにも、コロナに負けられないと、強い決意をにじませているが、実際に収入が激減しており、心が折れるかどうかの瀬戸際まで追い詰められている店主・店長も多い。
また、アイドルのライブを行うライブハウスやメイドカフェにも影響が出ている。東京・秋葉原にあるAKB48の本拠地「AKB劇場」、でんぱ組.incを生んだ「ディアステージ」、人気メイドカフェでメイドのステージパフォーマンスが売りの「アットホームカフェ」や「めいどりーみん」なども休業に入っている。
バーやナイトクラブの対応は
バー、ナイトクラブの対応はどうなっているのか。
岐阜市柳ケ瀬のナイトクラブ「シャルム」、島根県松江市のスナックとみられる「BUZZ」などで集団感染が発生している。
バーは全国的に休業に踏み切る店が多い。オリジナルのウイスキーや「ジンソニック」が人気の老舗「日比谷バー」も4月7〜20日、都内にある全23店を休業にする。
ワインバーを中心に都内で23店を展開する「マルゴ」グループも、1店を除き4月11〜30日に休業する。営業している「マルゴ・371BAR」も、「テナントが入居しているホテル(東急ステイ新宿)が営業している関係で、朝食などを担当するために開けている」とのことだ。
ダイニングバーでは、ランチとテークアウトで営業を続ける店もある。例えば、東京都日野市のJR日野駅に近い「バー&ダイニング リバーサイド」では、お得な500円ランチに加えて、普段は店内で提供しているメニューの一部をテークアウトにして、午前11時から午後6時まで販売している。
3〜4.5坪ほどの小さなバーや居酒屋がひしめく新宿ゴールデン街では「ここは3密の最たる場所。できるだけ扉を開けて換気をしているが限界がある」(新宿ゴールデン街商業組合)と、悔しさをにじませる。3月30日の小池都知事の会見以来、8割以上の店舗が休業しているという。
アジア最大規模の歓楽街である歌舞伎町界隈の無料案内所で聞いたところ、キャバクラはほぼ全店が休業しており、ガールズバーが何カ所か昼間に営業しているという。夜の女性が接客する業態は、9割以上臨時休業しているとみられる。
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