「持ち帰り」以外の対策あり 新型コロナに苦しむ飲食店にプロは何を教えたのか:状況は刻一刻と悪くなる(1/2 ページ)
外出自粛要請の影響で飲食店が苦しんでいる。売り上げの減少を補うため、持ち帰り商品を出す店が増えている。飲食のプロは別の方策もあると指摘する。
飲食に特化した人材サービスを手掛ける「クックビズ」(大阪市)は4月8日、新型コロナウイルス対応に悩む飲食店向けのオンラインセミナーを開催した。セミナーでは、マーケティング支援などを行う「トリプルグッド」(大阪市)の飲食コンサルティング事業部・松村輝幸氏が、売り上げ減少に苦しむ飲食店に向けて具体的なアドバイスを行った。
テークアウトに活路
松村氏は「団体予約が軒並みキャンセルになった」「新規の予約が入らず、飛び込み客も無くなった」「歓送迎会、接待、同伴がほぼゼロになった」「(国内外の)観光客が来店しなくなった」「スタッフが感染を警戒して自主的に店舗を休んだため、営業できなくなった」といったエピソードを紹介。全国の飲食店が深刻な影響を受けている現状を説明した。
また、少しでも売り上げを確保するため、テークアウトを強化する飲食店が増えていると指摘。「おいしい料理を食べたい」「人が押し寄せているスーパーには行きたくない」と考えている顧客は一定数いるので、飲食店にもビジネスチャンスが生まれているとした。
さらに、Googleマップでデリバリーやテークアウト対応の店舗が探せるようになっていることや、食べログでも持ち帰りができる店の情報発信を開始していることを踏まえ、テークアウトに取り組む場合は、積極的にこれらのサイトに店舗情報を登録をすべきだとアドバイスをした。
テークアウトの商品構成を考える際のヒントとして、お客が驚くような安い価格にしたり、持ち帰りできないとお客が思い込んでいるような商品をあえて提供したりといったものを提示した。豪華なメニューやパーティーメニューを事前予約制で用意するのも、競合との差別化につながるという。
単に店頭で販売するだけでなく、遊び心を加える取り組みもあり得るという。例えば、松村氏が見かけた事例に「100円弁当チャレンジ」がある。これは、弁当を購入した際、当たりが出れば弁当がどれでも100円になるという企画。店頭では「ノーリスク ハイリターン」という看板が設置されていたという。
関連記事
- 自粛要請に振り回される「3密4業態」 ライブハウスやナイトクラブの“悲痛な声”に迫る
新型コロナの感染拡大で夜の飲食店などが苦境。現場からはどのような声が聞こえるのか。取材の結果は。 - 新型コロナが“あの”外食チェーンを直撃 一方で松屋、スシロー、鳥貴族が順調なワケ
新型コロナウイルスの感染が広がる。外食チェーンへの影響はどうなっているのか。各社の最新動向を探った。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.