外出自粛下でも渋谷より人が集まった街とは? ビッグデータで暴く:奇妙な街が浮上(2/2 ページ)
新型コロナ対策で叫ばれる「最低7割の接触削減」。ただ意外な街でいまだに人出が集中している傾向が。アプリによる消費者の移動データから明らかに。
「池袋」「新宿」そして「板橋」で人出集中
さらに、unerryでは4月13日分のデータから、東京都内在住のユーザーで2キロ以上の外出をした人が、都内で一体どの街を訪れたのかについても集計した。代表的な繁華街・オフィス街でもある渋谷を基準値として、「渋谷と大体同程度、もしくは明らかに上回る数の人が外出先にしていた」街を列挙した。平日のため代表的なオフィス街ばかり浮上するかと思いきや、かなり意外な結果となった。
まず、「明らかに渋谷以上に人が集まった」街として挙がったのが「池袋」「新宿」そして「板橋」の3カ所だ。「霞ケ関」「大手町」「大崎」といった代表的なオフィス街も「渋谷と同程度」の人出があったものの、それらを上回る結果となった。
まず、池袋と新宿は丸の内エリアなどの一等地と比べ、中小企業のオフィスが多めな傾向にある。テレワークが大企業ほど浸透していないこうした企業の従業員が、いまだに出勤している可能性もあるとみられる。
unerryの担当者は「出掛けている人の多い場所は以前の調査より非常に分散化した。渋谷や東京駅は完全に埋もれてしまった」と分析する。
他にも、人出の多い浮上した意外な街が「東雲(江東区)」や「大森(大田区)」「西葛西(江戸川区)」。大型のスーパー・商業施設があり、近隣から買い物に来る人が多いとみられるエリアだ。同様に「板橋」でも、近隣に広範な住宅街を抱えることから、似たような現象が起きた可能性がある。
他にも、東京都の西エリアでは立川や府中、東エリアでは押上(墨田区)、錦糸町(墨田区)といった街も挙がった。unerryの担当者は「緊急事態宣言で東京駅など都心への流入が減ったことにより、郊外の主要駅周辺や商店街、大規模スーパーへの外出が目立っているようだ」と分析する。
新型コロナ拡大を食い止めるための外出自粛。テレワークのさらなる促進に加え、ECサイト利用などで買い物頻度を下げるといった工夫も求められそうだ。
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