ポスト・コロナの「新たな常識4つ」(1/4 ページ)
人口の95%が「ロックダウン」状態にあるアメリカだが、早くもあれこれと「コロナ後の世界」に関する予測が飛び交っている。そのうちのひとり、トロント大学リチャード・フロリダ氏の見解に大いに興味をひかれたので要約してみた。
著者プロフィール:
南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「アメリカで『小さいのに偉大だ!』といわれる企業の、シンプルで強い戦略」(2016年4月、PHP研究所)、「未来企業は共に夢を見る〜コア・バリュー経営〜」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。
私が日ごろ生活しているロサンゼルスは約三週間前からいわゆる「ロックダウン」になり、不要不急の外出を控えるようお触れが出されているが、つい先日のニュースではなんと、「カリフォルニア州がコロナのピークを迎えるのは五月中旬」という州知事の見解が発表され憂鬱な気分を禁じえない。しかしそんな中でも、北米では早くも「コロナ後の世界」についてあれこれと予測をしている人たちもいる。そのうちのひとり、トロント大学のリチャード・フロリダ教授の見解に興味をひかれたので以下に要約する。
2020年4月7日の時点で世界の全人口の3分の1が「ロックダウン」状態にあるといわれている。今から二カ月もすれば、「コロナ・クライシス」の第一フェーズは過ぎ、町は少しずつ息を吹き返し始めるだろう。
ただし、「何もなかったかのように」回復するわけではない。パンデミックの歴史を見ると、気候が暖かくなると沈着し、そして季節が変わるとまた感染が始まり……というふうに何回かのピークを繰り返して収束していることがわかる。1918年のスペイン風邪の流行も、約3年をかけて1920年にようやく予防・治療法が定着した。しかし、当時の記録によると、人々が公共の場で「安全」であると感じるまでにはさらに2、3年がかかったという。これと同様に、私たちも「新たな常識」に慣れていかなくてはならない。
人やモノの動きが再開し、経済が一刻も早く回復に向かうため、「新たな常識」として提言したいことが4つある。
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