非常事態終了を遅らせるバカにつける薬(1/3 ページ)
日本人は今、2種類いる。非常事態解除を真剣に願い行動抑制する者と、非常事態の意味もコロナの意味も理解できない者である。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた):
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
非常事態宣言終了のめどである連休明けに向け、ここ数日は政府からしきりにその解除ができない、延長になりそうな匂わせが出始めた。今、日本人は見事に2種類に分けられたのではないか。公務員や大企業以外のほとんどの産業が生死をさまようほどの打撃を受けつつも、家にこもって耐え忍んでいる多くの日本人がいる一方、「コロナ疲れ」とか「ストレス解消」「子供がかわいそう」とのことで正に不要不急のための外出をしている者がいる。これこそが非常事態宣言解除を遅らせる、悪意なき無自覚集団といえる。
人であふれる駅前
都知事からスーパーでの買い物指導が出るのも、非常事態宣言後、老人と家族のレジャーランドかというほどの状況が続いているからだ。ターミナル駅・大都会への人出が減ったにもかかわらず、山手線内のその他駅前では一日中人々が歩き回っている。
仲良くおしゃべりしながら買い物に出歩く者、公園に集まったり、使用禁止公園そばの路上でて子供たちを遊ばせる親、ドラッグストアに毎日通って行列する老人、スーパーでていねいに野菜や食品をベタベタさわりながら吟味する夫婦。一人で買い物をしているのかと思えばスマホでテレビ電話をしながら、売り場の動画を送って大声でしゃべりながら店内散策をする者もいる。
サーフィンを楽しむ県外車で路上が埋まり、パチンコ屋には密集大行列。遊具やベンチが使用禁止になった公園では、そばにビニールシートを敷いてグループで仲良くピクニックが行われている。体調不良のままスポーツクラブに行き感染してしまった栃木の老人まで出現した。
コロナが広まり世界中がたいへんな状況になったにもかかわらず、このような不要不急外出を止められない者たちが今、街にあふれかえっている。これは政府や自治体の広報不足ではなく、もはや理解能力の欠如した集団への対策が必要と考えるべきではないだろうか。
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