2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

高齢者は朝のドラッグストアへ本当に「殺到」したか 購買データで解明POSデータ活用(2/3 ページ)

ドラッグストアに朝「殺到」しているのは本当に高齢者か。購買データから真相を解明した。「トイレットペーパー買い占め」騒動時の動静も明らかに。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

テレビなどの影響受けやすい世代

 True Dataによると、小売店で家族の分も合わせて日用品や食料を買う消費を「代理購買」といい、その主体は家庭を持つ30〜50代とされる。ただその傾向を差し引いても、トイレットペーパーの「買い占め」が発生した時期に、50〜60代の来店が特に増加したと言えそうだ。

 一般的に、こうした上の世代は若年層よりテレビを始めとしたマスコミの影響を受けやすいとされている。「トイレットペーパーの品薄」という話題についても、SNS上のデマだけでなくテレビなどが「デマの結果、実際に品薄になった店の様子」を頻繁に流したこともあり、特にこの世代に強く影響した可能性がある。

他の世代で来店数減っても「50〜60代」は多め

 トイレットペーパー騒動の後、全世代でドラッグストアの来店数の伸び率は徐々に低下し、平年並みに近づいている。ただ、逆に伸び率が反転して高まりだしたのが3月23日週だ。

 これは東京都が初の外出自粛要請(3月28〜29日)を出したタイミングに当たる。家族での長時間の在宅に備え、日用品や感染症予防向け商品などを買い求める人が多かったとみられる。

 その後、緊急事態宣言が出され全国で外出自粛がより強く要請されるにつれ、10〜40代の世代では徐々に平時(11月)並みに来店数は低下。最新データである4月13日週では、この4世代でいずれも平時を下回る来店者数となった。

 ただ、ここでも来店者数が平時を上回ってしまっているのが50代以上の中高年となった。4月13日週で50代は平時より7.3%増、60代は13.3%増という結果に。日中働いている年代より来店しやすい点はあるものの、感染の不安に駆られやすいこうした上の年代が、外出自粛が叫ばれる中もマスクなどを求め、ドラッグストアを頻繁に訪れている可能性がある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る