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高齢者は朝のドラッグストアへ本当に「殺到」したか 購買データで解明:POSデータ活用(3/3 ページ)
ドラッグストアに朝「殺到」しているのは本当に高齢者か。購買データから真相を解明した。「トイレットペーパー買い占め」騒動時の動静も明らかに。
やはり「50〜60代」が「朝」に来店
こうした比較的高齢の世代については、マスクやトイレットペーパーを求め朝からドラッグストアに行列する様子が報道やSNSで話題となった。そこでTrue Dataは朝昼夜の時間帯別で来店数をさらに分析した。
各世代で「午後7時台」は、特に外出自粛傾向が高まるにつれ平時より来店者数が低下。逆に午前12時台はどの年代でもある程度増える結果になった。ただ、年代間で顕著な差が出たのはやはり、朝である午前9時台だった。
例えば最新の4月13日週では、10〜40代が平時より1〜20%台の伸びだったのに対し、50代は57.3%、60代は62.1%も増加した。トイレットペーパー騒動のため全世代で急上昇した2月24日週においても、50代は約2.9倍、60代も約2.8倍と突出している。「早朝、ドラッグストアに行列を作っていた比較的高齢層」というイメージは、データでもある程度裏付けされたと言えそうだ。
国や自治体から来店頻度の軽減を求められているスーパーと同様、ドラッグストアもまた、外出自粛下でも生活必需品を買うため来店せざるを得ない業態だ。ただ、感染時のリスクが高めの高齢層が同じタイミングで店に集まり「密」を作ってしまう事態は、やはり問題と言える。若年層だけでなく、この世代の消費行動を行政やメディアがどう変えられるかが問われる。
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