アメリカで白熱する「お尻洗浄器」市場、なぜ?(1/4 ページ)
日本では「ウォシュレット」は「クリネックス」と同じくらいごく当たり前のものになっている。しかしアメリカでは、「お尻洗浄器=温水洗浄便座」を見ることは家庭でも公共のトイレでもごくまれだ。しかし……
著者プロフィール:
南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「アメリカで『小さいのに偉大だ!』といわれる企業の、シンプルで強い戦略」(2016年4月、PHP研究所)、「未来企業は共に夢を見る〜コア・バリュー経営〜」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。
日本では、TOTOの「ウォシュレット」が1980年に発売されて以来、温水洗浄便座が日々の生活の中にすっかり定着しています。
「ウォシュレット」の前身は、なんと、TOTOが1960年代に販売を手掛けていたアメリカからの輸入品らしいのですが、そのわりには、「お尻洗浄器」はアメリカではまったくといっていいほど普及していません。
しかし、コロナショックがすべてを変えてしまいました。
ロックダウン(外出禁止令)が発令される直前に、いわゆる「パニック・バイ(パニックによる買いだめ)」現象が起こり、アメリカ中の小売店舗の棚からトイレットペーパーが姿を消してしまったのです。
以前に比べれば状況はやや改善されたものの、ロックダウン開始から一カ月が経過した今日でも、店頭で空っぽの棚に遭遇してがっかりさせられることが多いというありさまです。
そこで、困窮したアメリカの消費者が最後の手段として買い求めているのが「ビデ」です。それも、大がかりな工事などを必要とせず簡単に装着できる簡易ビデや「携帯用ビデ」が人気です。
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