首都圏の鉄道会社、決算はどうだった? 新型コロナの影響でこれからは:やっぱり(1/6 ページ)
首都圏の鉄道会社が決算を発表し始めた。発表したのは、JR東日本、京王電鉄、東武鉄道、京成電鉄、相鉄ホールディングス。決算の内容は、やはり……。
4月の終わりから、首都圏の鉄道各社が決算の概要を発表し始めた。5月9日現在のところ、発表を終えているのはJR東日本、京王電鉄、東武鉄道、京成電鉄、相鉄ホールディングスである。そのほかの会社は、今月中に発表が行われる予定である。
どの決算も、新型コロナウイルスによる影響が大きく、そのために営業利益や経常利益が悪化、今後の見通しは立てられないと記している。
JR東日本、台風とコロナの影響が大
JR東日本の20年3月期の決算を見ると、台風19号や新型コロナによる影響が大きい。JR東日本単体でも営業収益や運輸収入は8期ぶりの減収であり、前期比2.5%減となっている。営業利益は25%減、経常利益は26.7%減、そして純利益は36.7%減となっている。
グループ全体で見ても減収減益であり、営業収益は1.8%減、営業利益は21.5%減、経常利益は23.4%減、純利益は32.8%減となった。
運輸事業は、昨年のゴールデンウィーク10連休により利用者が増えたことがポジティブな影響を与えた。しかし、台風19号による北陸新幹線の運休や、新型コロナによる利用者減の影響が大きかった。また物件費も増加し、営業利益は前期比26.7%減。
流通・サービス事業や東京駅でのグランスタでの新規店舗オープンや駅ナカ商業施設のリニューアルを行ったものの、新型コロナによる外出自粛や営業時間短縮の影響が大きく、営業利益は前期比12.3%減となった。
不動産・ホテル事業については、ホテルの開業だけではなく、住宅事業や渋谷スクランブルスクエアの開業などの効果があったものの、新型コロナがその影響をふきとばし、営業利益は8.4%減となった。
しかし、意外な事業が好調だった。SuicaがJR東日本の業績にポジティブな貢献を残した。利用促進や加盟店開拓に取り組み、19年12月には電子マネーの月間利用件数2億5261万件と過去最高になった。また消費税増税にともなうキャッシュレス推進キャンペーンにも積極的に取り組んだこともあり、Suicaの利用者は増加。ICカード事業やクレジットカード事業の売り上げが増加した。売上高は前期比6%増、営業利益は0.3%増と、Suicaの未来を感じさせる結果となった。
JR東日本は、首都圏だけではなく、本州の東日本全エリアを担当している。そのため、他社と単純に比較できないものの、商業施設や通勤電車などは他社とも同じような取り組みをしており、影響としては近いものがあると考えられる。
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