首都圏の鉄道会社、決算はどうだった? 新型コロナの影響でこれからは:やっぱり(5/6 ページ)
首都圏の鉄道会社が決算を発表し始めた。発表したのは、JR東日本、京王電鉄、東武鉄道、京成電鉄、相鉄ホールディングス。決算の内容は、やはり……。
新型コロナに左右される相鉄ホールディングス
相鉄ホールディングスは、収益こそ増加したものの、利益にはつながらない構造がうかがえる。グループ全体の連結営業収益は1.8%増、連結営業利益は16.4%減、連結経常利益は19.2%減、純利益は20.2%減となった。
運輸業では、19年11月30日に相鉄・JR直通線が開業した。新車の製造や駅改良工事などもあり、そのための支出も増加した。運輸業の営業収益は0.5%増だったものの、営業利益は30.3%減となった。新線開業費用や減価償却費が増加したことによる。
相鉄は、鉄道の輸送人員・運輸収入の前年同月比の推移を説明資料でグラフ化している。2月までは前年とほぼ同程度で推移していたものの、3月には輸送人員が19.6%減、運輸収入が21.4%減となっている。この流れがしばらく続くことが予想される。
流通業では、収益力の向上に力を入れただけではなく、積極的な営業活動を展開し、営業収益は4.7%増、営業利益は2.1%減となった。
そうてつローゼンの既存店売上高前年比の推移もグラフ化されている。1月まで消費は冷え込み、前年同期に比べ減少傾向だったものが、2月には5%増、3月には7.6%増と、興味深い数字を示している。
不動産業は営業収益3%増、営業利益1.4%減と堅調である。ホテル業は厳しい。新規開業や改装など魅力の向上に務めたものの、営業収益は5.2%減、営業利益は59.7%の減となった。19年の12月から「フレッサイン」「サンルート」の客室稼働率が落ち始め、3月は32.6%となっている。
JRへの直通が思わぬ厳しさをもたらしたといえそうだ。
関連記事
- 世界一規律正しい日本人が、「外出自粛」の呼びかけを無視するワケ
「不要不急の外出は控えてください」――。政府、自治体、医療関係者などが何度も訴えているのに、なぜ日本人は外出してしまうのか。筆者の窪田氏はマスコミの報道に原因があると見ていて……。 - 「喫煙者は新型コロナにかかりにくい」 まさかの新説は本当か
アメリカやフランスの研究チームが、ちょっと信じられない研究結果を発表した。「喫煙者は新型コロナにかかりにくい」というのだ。まさかの新説の裏に何があるのか。 - 非常事態終了を遅らせるバカにつける薬
日本人は今、2種類いる。非常事態解除を真剣に願い行動抑制する者と、非常事態の意味もコロナの意味も理解できない者である。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 結局、Zoomは使っても大丈夫なのか?
コロナ禍でテレワークの需要が高まる中、一気に知名度を上げた「Zoom」。しかしユーザー数の急増に伴い、セキュリティの不備が次々と発覚している。Zoomを使っても構わないのか? 慎重になるべきか? 問題点と対策を整理した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.