ワインのようなボトルに入って5000円 意外な進化を遂げていた日本の「お茶」:食の流行をたどる(1/5 ページ)
飲食店で食後に無料で提供されることが多い日本のお茶。付加価値を高めて売ろうとする新しい動きが出ている。どういった戦略なのか。
食の流行をたどる:
「レモンサワー」「一人焼き肉」「ギョーザ」「パンケーキ」「かき氷」――毎年のように新たなブームが生まれる。これらのブームの背景を、消費者のライフスタイルの変化や業界構造の変化も含め、複合的に分析していく。
日本人に深くなじみのある「お茶」が意外な形で進化しているのをご存じだろうか。
お茶といえば、もともとは葉(リーフ)を購入し、自宅で急須を用いて入れるのが当たり前のスタイルだった。また、外で飲む際には、水筒に入れて持ち歩くのが主流であった。それが1970〜80年代、緑茶やウーロン茶など缶入りのお茶を、伊藤園を中心とした飲料メーカーが販売したことにより、「お茶を購入する」という新たなマーケットが登場した。
90年代にはペットボトルの需要が高まり、ふたをして持ち運べるという利便性から、その飲料シーンは一気に拡大したといえる。缶やペットボトルに入ったお茶の登場は、「お金を出してまでお茶を買うの?」という日本人のお茶に対する価値観を覆す最初のきっかけだったのではないだろうか。
すし屋の「あがり」や、居酒屋のお会計前に無料で提供されるお茶のように、外食シーンにおいても、お茶は無料で提供される付加価値の低い飲み物であるかもしれない。
今回は、そのお茶が国内外でどのように進化しているのか。また、外食業界にとってどのような影響を与えているのかということを解説する。また、消費者はこの「お茶の価値」をどのように捉えているのかということを、データに基づいて示す。そして、今後のマーケット拡大の可能性についても論じていきたいと思う。
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