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ワインのようなボトルに入って5000円 意外な進化を遂げていた日本の「お茶」:食の流行をたどる(4/5 ページ)
飲食店で食後に無料で提供されることが多い日本のお茶。付加価値を高めて売ろうとする新しい動きが出ている。どういった戦略なのか。
お茶ペアリング
5つ目は、「お茶ペアリング」だ。今、アルコール市場でもペアリングは注目を集めている。お酒を飲まないお客が来ると単価が上がりにくいと懸念する飲食事業主も多いだろうが、その課題に一手を投じるプランとして、お茶ペアリングに注目したい。コース料理に合わせて、まるでワインのように複数のお茶を提供することで、料理とのマリアージュを楽しむことが可能で、お店への満足度も高まる可能性が高い。また、ノンアルコールでも単価アップを図れる可能性が高まるのではないだろうか。
さて、国内でも注目を集めているお茶であるが、海外でも「日本茶ブーム」が起こっている。
特に、粉砕することで茶葉の全てを摂取できる抹茶は、カテキンなど多くの栄養素を摂取できるジャパニーズスーパーフードとして人気があり、欧米のトレンドリーダーたちの注目を集めている。また、和のフレーバーとしての注目度も高く、米国では、スターバックスの抹茶フラペチーノが不動の人気である。京都の老舗茶処「一保堂」がニューヨークに専門店を出していたりもする。ヨーロッパにおいて、「MATCHA」はチョコレートやマカロン、ケーキなどに使用され、ジャパニーズフレーバーとして親しまれている。日本でも抹茶味はチョコレートやアイスを中心に「お菓子」の人気フレーバーであるが、このブームは、海外からの逆輸入と言っても過言ではない。
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