「上司と部下」からパートナーへ これから求められるマネジャーの姿とは?:求められるのは「アウトカム」(3/3 ページ)
新型コロナで巻き起こった急激な変化。コミュニケーションやマネジメントの形にはどういった変化があり、これからマネジャーに求められるものとはどういった要素なのだろうか。コミュニケーションに関するサービス「KAKEAI」を提供するKAKEAI社の本田社長に話を聞いた。
対外的でなく、会社内部へも「サクセス」の視線を
本田: 社員・部下に結果を出してもらう、高い成果を出してもらうために必要なのが「エンプロイーエクスペリエンス/エンプロイーサクセス」の考え方です。
これまでは、顧客体験である「カスタマーエクスペリエンス」をいかに向上させ、満足度を高めるかという対外的な点に視線が注がれていました。しかし、人手不足や、終身雇用制度の崩壊に伴い、こうした視線を会社内部へと向ける必要性も高まっていると思います。
極端なことを言えば、社員としては他の会社で働くこともできますよね。それなのに、なぜこの会社で働き、この仕事をやるのか。モチベーションをいかに高く保ってもらい、高い成果を出してもらうのかといったエンプロイーサクセスに必要なのが、コミュニケーションの「質」なのです。
これからは「上司」ではなく「パートナー」
――これからの時代、マネジャーがあるべき姿とはどういったものでしょうか
本田: これまでのマネジャー、特に「中間管理職」と呼ばれるような役職は、組織のハブとして、どちらかというと部下よりも組織の側に立ち、「管理」を中心に機能してきました。テレワークによって、働く人たちは時間や場所といった制約から解放されています。それなのに、これまでのような管理をしていては、意味がありません。
――最近では、テレワーク中の社員を“監視”するようなシステムも話題になりました
本田: 「ティール組織」という言葉もありますが、マネジャーが従来的な意味で「管理」する必要性はどんどんと希薄になっていくと思います。組織の側に立って上意下達的な振る舞いをしているだけでは、部下の満足度はガタ落ちしてしまい、エンゲージメントを高めることもできませんから。
今後は「タテの関係」というよりも、パートナーのような形で部下の側に立って、どうやったら高いパフォーマンスを発揮してもらえるかを考えられるマネジャーが求められるはずです。
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