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RAV4 PHV 現時点の最適解なれど池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/5 ページ)

トヨタはRAV4 PHVを次世代システムとして市場投入した。世間のうわさは知らないが、これは早目対応の部類だと思う。理由は簡単。500万円のクルマはそうたくさん売れないからだ。売れ行きの主流がHVからPHVへ移行するには、PHVが250万円程度で売れるようにならなくては無理だ。たった18.1kWhのリチウムイオンバッテリーでも、こんな価格になってしまうのだ。まあそこにはトヨタ一流の見切りもあってのことだが。

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電動システムの進歩

 トヨタはHVをちゃんと進歩させている。ヤリスの燃費がWLTPで35.8キロの理由も同じだが、バッテリーとモーター、回生システムとバッテリーの間の瞬間電流量の上限を、高性能なリチウムイオン電池を開発することで引き上げることに成功した。つまり、従来ならバッテリー側の許容上限を超えて回生をあきらめ、エンジンブレーキを併用することで擬似的に制動を補助していたケースでも、きっちり回生をかけることができるようになった。もちろん上限はあるが、その効果は顕著だ。RAV4でも、275キロも車両重量が増えているにもかかわらず、HVのニッケル水素電池より電流受け入れ能力の高いリチウムイオンバッテリーを使うPHV(WLTP22.2キロ)の方が、HV(WLTP20.6キロ)より燃費が向上している。

 RAV4 PHVでは、バッテリーの冷却にヒートポンプ(エアコン)を使う。これによってバッテリーの温度管理精度も向上している。


エアコンの冷媒とコンプレッサを使い、バッテリーを冷却するシステムを搭載した

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