無印・ローソン提携の背景にある「冷凍食品3割増」:無印良品の商品をローソンで売る(1/2 ページ)
ローソンの一部店舗で無印良品の商品を実験販売する。無印で販売している約7000品目のうち約500品目を約3カ月間取り扱う。今後は共同でプライベートブランドの開発もする。
無印良品を運営する良品計画は6月17日、ローソンの店舗で自社商品を実験販売すると発表した。
販売店舗は「ローソン久が原一丁目店」(東京・太田)、「ローソン新宿若松町店」(東京・新宿)、「ローソン南砂二丁目店」(東京・江東)。6月17日から順次販売を開始する。実験期間は約3カ月を予定している。
店舗では、無印良品で販売している約7000品目のうち約500品目を販売する。陳列スペースとしては、棚10本程度を予定している。
主な取り扱い商品群は肌着、靴下、化粧水、文具、レトルトカレー。ローソンの広報担当者によると、新型コロナウイルスの影響で消費者が自宅近くで商品を購入する傾向が強まっているという。普段、コンビニで日用品を購入しない層に向けた品ぞろえを強化するために無印良品のアイテムを取り扱うことにした。品ぞろえについては、「お客さまの必要なものになっているかなどを確認したうえで、今後展開を広げられるか検討していく」とした。
また、両社は共同でプライベートブランド(PB)の開発に取り組む予定だ。どんな商品を扱うかは、実験結果を踏まえて検討していくという。
コロナの影響で売れ筋ががらりと変わった
良品計画との提携にいたった背景に「冷凍食品」の売り上げ好調がある。ローソンでは、新型コロナの影響で洗剤(台所用、トイレ用、バス用など)、食パン、牛乳、豆腐、納豆、加工肉(ソーセージなど)、調味料、ワイン・ウイスキー・チューハイ、冷凍食品などの売り上げが増加している。5月には、900ミリリットル以上の牛乳の販売高は約20%増(対前年同月比)、納豆は約10%増(同)、玉子は約10%増(同)、冷凍食品は約30%増(同)という結果になった。「極小粒納豆 50g×3」(税込84円)などのように、スーパーとほぼ変わらない価格帯の商品の存在も購入増につながっている。
こういった商品が売れるようになったのは、スーパーで購入することが多い食品・日用品の買い物における時短・簡便ニーズが高まったことや、自宅で食事をする機会が増えたためだとローソンでは分析している。同社はこういった傾向を踏まえ、日常商品の品ぞろえを強化する方針を打ち出していた。
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