freee佐々木大輔CEOが語る「中小企業にテレワークが浸透しない」納得理由:アフターコロナ 仕事はこう変わる(3/3 ページ)
自社のリモートワーク率99%を達成し、社外に向けてはリモートワークの課題を取り除くムーブメントを立ち上げるなど、効率的な働き方を追求するfreeeの佐々木大輔CEO(最高経営責任者)に、日本企業に根付いた課題と解決への糸口、アフターコロナの働き方を聞いた。
アフターコロナは「働き方の多様性」が会社の価値に
――今後、日本人の働き方はどう変わると思いますか?
こういったクライシスのあとは、組織への依存度が下がり、個人主義がより強まると思います。それと同時に、個人が「自分にとって本当に大切なものって何だったっけ?」「それに向かう生き方ってどんな生き方?」といったことを考え直すタイミングにもなるでしょうね。今回のコロナ騒動で、それを実現するテクノロジーがすでに身の回りにたくさんあることに気付いた人も多いでしょう。
「本当は自然と共生しながら生きていきたい」という人も、会社がそれを認めてくれれば実現可能だということが分かっている。今後は多様な働き方を認めてくれる会社かどうかということが、会社選びの基準にもなると思います。
――働き方が多様化すれば、東京の一極集中も変わっていくタイミングになりそうですね。
東京にいろいろなものが集中しすぎたために、これまでは物理的に対面することを前提とした商取引や出社の習慣がありました。しかしこれまで都市一辺倒で不自由さを感じていた人たちが地理的な制約から解放されれば、都市の在り方や、都市依存型の経済について見直すきっかけとなり、地方創生を考えるうえで重要な局面を迎えると思います。
――これから変化していく社会を、貴社としてはどう支えていきたいとお考えでしょうか?
どこからでも仕事ができるようにすべきだという考え方自体は、実は新しいものではなく、以前からありました。先ほども触れたように、世界ではすでにそれが当たり前になっています。日本の商習慣が追い付くにはまだ時間がかかるかもしれませんが、個々人にとってはこういった時に独立や起業をすることも1つの選択肢だと思うので、それを簡単に選択できるようなサービスや製品を提供していきたいですね。
企業にとっては、自由な働き方を実現していけるかどうかが、優秀な従業員を集めるための重要な課題になってくるので、その実現を支えていく役割も果たしていきたいと思います。
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