「としまえん売却」と「GAFAMの東証一部超え」から見えるコロナ後の世界:専門家のイロメガネ(5/6 ページ)
「としまえん」の売却が今年2月に伝えられた。また1月には時価総額において「GAFAM」が東証一部全体を超えた。さらに、これら2つのニュースが示す新時代への移行は、コロナで一気に加速している。ここでは、リアルな土地から「新大陸の土地」へのビジネス主戦場の移行、コロナによる移行の加速、またコロナ後の世界を見ていきたい。
コロナで拡大する「新しい大陸」
GAFAMに限らず、米ナスダックに上場するIT系の企業が絶好調な一方、コロナによって多数の企業が破綻した。このことは、リアルがITに置き換え可能であることを示している。
あらゆるコンテンツが時間の奪い合いをしている現在、外出ができなければ自宅で動画を見てSNSに書き込み、アマゾンで買い物をしてゲームで遊んだ結果、リアルの世界で展開される百貨店やアパレル企業、レンタカー会社が潰れた。
コロナによって旅行客が激減して航空会社も破綻したが、今後はWeb会議システムによって航空会社の「長距離を移動する」という機能の一部が置き換わる。コロナをきっかけにZoomは飛躍的に知名度を上げて利用者を増やしたが、GAFAM各社もWeb会議システムや通信アプリを提供している。
投資の神様と呼ばれ世界一の富豪になったこともあるウォーレン・バフェット氏は、コロナで状況が変わったとして保有する航空会社の株をすべて売却した。もっともその後は航空会社の株価は急激に回復し、トランプ大統領から「尊敬するバフェットでも間違うことがある」と揶揄されたが、一時的なリバウンド需要は見込めても長期的にどうなるかは不透明だ。
日本ではサーティワン・アイスクリームの20年4月における売り上げが、前年同月比1.7倍と急激な伸びを見せた。普段なら旅行やレジャー、外食などに流れるお金が、身近で持ち帰り可能なサーティーワンへと流れたことになる。”風が吹けば桶屋が儲かる”ということわざ通りだ。
サーティーワンはGAFAMでもITでもないが、何と何がシーソーゲームになり、綱引きとなるのか。何がITに、そしてGAFAMの提供するサービスに置き換わるのか、今後も予想のできない変化が起こる。
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