増えるストレス、見えた希望――コロナショックを機に、働き手の“反乱”が始まる?:パワーバランスの変化で問われる、価値観の刷新(5/5 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、働き手の意識が変わった。テレワークも浸透し、仕事よりも生活を重視する層が増えている。一方、企業の腰は重く、働き手との「意識の差」がどんどん開くかもしれない。このままいけば、抑圧されていた働き手の反乱が始まる可能性がある。
負の遺産をのこさないために
もちろん、在宅勤務や時差出勤を経験した人の中には、うまく仕事環境が整わずにかえって苦労した人もいるはずです。しかし、それは果たして在宅勤務や時差出勤自体に問題があるのか、あるいは仕事環境における業務設計に問題があるのか検証する必要があります。
もし社会が個々の働き手の希望を尊重し、最適な職場環境を選択できる方向へとシフトすれば、働き手は日々の生活の中で豊かさと幸せを今より高い水準で享受できるようになるはずです。
最適な職場環境とは、在宅勤務や時差出勤だけに限りません。中には明らかに在宅勤務が難しい職種もあります。しかし、それぞれの環境ごとに最適化させる余地はまだたくさんあるはずです。その結果、仕事のパフォーマンスも生産性も高まるとしたら、職場も働き手もWin-Winとなります。
そんな状態を実現させるために必要なことは、働き方に対する価値観の転換と、働き手の希望を尊重した職場環境および業務体制の再設計です。それこそが真の働き方改革なのだと思います。
逆に、今を社会変革の契機にできず、今後も過去の価値観を長く引きずってしまうようであれば、新しい価値観に目覚めた働き手たちを筆頭に、強いストレスの塊を広く大きく膨張させ、堆積させていくことになります。そしてそのストレスの塊を負の遺産として、子どもたちの世代へと受け継がせてしまうことになるのだと思います。
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