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「新人は白シャツ」「ツーブロック禁止」 会社や学校で、“謎ルール”が存在している事情スピン経済の歩き方(6/6 ページ)

会社で「新人は白シャツ強制」、学校で「ツーブロック禁止」――。日本の会社や学校で、意味不明な“謎ルール”が存在しているが、なぜ昭和的な発想がいまもはびこっているのか。筆者の窪田氏はこのように見ていて……。

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理不尽なルールに従うのが立派な大人

 それがすべて悪いというわけではないが、これが「ハラスメント」や「体罰」の連鎖にもつながっている。コーチに殴られながら育った体操選手が、自分がコーチになったらやはり同じように指導する女子選手に張り手をしてしまったという体罰事件があった。

 人は自分が受けたハラスメントも暴力も「意味がない」とは思いたくない。だから、あのシゴキや体罰があったから成長できた、と思い出を都合よく書き換える。そして、そのように「意味のある教育」だと再確認するためにも、若い世代へと強要してしまうのだ。


(写真提供:ゲッティイメージズ)

 組織の理不尽に立ち向かうサラリーマンを描いたドラマ『半沢直樹』の視聴率がいいらしい。このような組織の秩序を破壊するヒーローに溜飲を下げる人が多いことは、裏を返せば、「理不尽な謎ルールに縛られて息苦しい」と感じている人が多いのではないか。

 ツーブロック禁止に代表されるような「謎ルール」が、日本からなくなることはまだまだ遠先のようだ。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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