三菱自、パジェロ製造の工場閉鎖を発表 固定費2割削減、ASEAN中心の体制へ:岡崎工場に移管
三菱自動車は、子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)における乗用車生産を2021年上期に停止し、工場を閉鎖すると発表。コスト削減と収益力向上を目指す新中期経営計画では、固定費の2割削減を目指す。強みを生かせるASEAN地域などに経営資源を集中させる。
三菱自動車は7月27日、子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)における乗用車生産を2021年上期に停止し、工場を閉鎖すると発表した。業績悪化からコスト削減と収益力向上が急務となっており、新中期経営計画では固定費の2割以上の削減を掲げる。生産体制を再編し、強みを生かせるASEAN地域などに経営資源を集中させる。
岐阜の工場閉鎖の理由については「新中期経営計画における適正な生産体制とするため」と説明。現在、パジェロ製造で生産しているSUV「アウトランダー」などの製品は、三菱自の岡崎工場(愛知県岡崎市)に生産を移管する。
同日発表した新中期計画では、生産体制の再編のほか、新規採用抑制や希望退職制度による労務費の削減、欧州向け新規商品投入の凍結などによって、21年度までに固定費を20%以上削減する方針を示している。
その上で、強みを生かせる分野に経営資源を集中させる。ASEAN地域での事業展開を加速させるほか、プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)といった環境対応車の商品ラインアップを強化する。
同日発表した2020年4〜6月期の連結決算は、売上高が前年同期比57.2%減の2295億円、営業損益は533億円の赤字、純損益は1762億円の赤字だった。
また、20年3月期の決算発表時には未定としていた21年3月期の業績予想を開示。売上高は前期比34.8%減の1兆4800億円、純損益は3600億円の赤字の見通しとなっている。
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