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見通しが甘かった大戸屋、買収どころではないコロワイド 「大戸屋紛争2.0」を読み解く:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
コロワイドが大戸屋に“超攻撃的買収”を仕掛けている。敵対的な買収はそもそも成功するのか。買収された後、大戸屋にはどんな運命が待ち受けているのか。
買収されるならロイヤルやトリドールか
一方、定食屋「大戸屋」を経営する大戸屋ホールディングスの20年3月期連結決算も冴えない。最終損失5億3000万円と初の赤字に転落している。16年の年商は260億円で、コロワイドと同様にその後伸び悩み、5年間でやや減少している。
11年に社長に就任した窪田健一氏は、先代の久実氏の存命中に社長になっている。久実氏の母方の従兄でもある。本物の日本の家庭食「和食」を、世界に届けるのが大戸屋の使命との考えで、先代の意図を継承し、手作りの店内調理にこだわった事業を行ってきた。
ちなみに創業家の智仁氏が入社するのは12年で、窪田氏は既に社長だった。
90年代にウケた「おしゃれな定食屋」のイメージと、元からあった「家庭食の代行」ビジネスとの間で、近年はバランスを取るのに苦慮していた。人件費の増加や消費増税に対処するために値上げを行った。しかし、商業施設で女性が行列をつくっても、学生街では苦戦するケースが相次いでいた。
19年3月のアルバイトによるSNSへの不適切動画投稿も響いたが、不振の主因は価格高騰に起因している。
今回の買収提案が、店内調理にこだわる「ロイヤルホスト」のロイヤルホールディングスや、「丸亀製麺」のトリドールホールディングスから来たのなら、ここまで泥沼にはならなかっただろう。店内調理は他社との差別化ポイントになるもので、必ずしも業績悪化の根源ではない。
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