NHKを辞めてユーチューバ―に。起業は「縛られない自由な生き方」なのか:耐えられない(2/4 ページ)
誰もがうらやむ難関企業に就職しても、3年経たずに辞めてしまう学生がいる。こうした選択をどのように考えればいいのか。
一流企業を早々と辞める若者たち
「3年で辞める若者」に対し、特にネット上において「3年勤めてナンボ」説を唱えればたちまち旧人類扱い、社畜呼ばわりされます。基本的に私の意見は倫理観とか社会正義というより功利主義的な実効性、効果・効率の視点に拠っています。「3年もたずに辞めるのは人としてケシカラン」というような主張をしたことも、思ったこともありません。
ではなぜ早期退職に批判的なのか。キャリア開発のセミナーや指導を行う相手は、大学生・院生だけでなく、企業人、それも年齢問わず新入社員から退職を見据えた50代までさまざまな人々と向き合ってきて、それが損だと思うからです。早期退職するのは個人の自由。自分が良ければ何の問題もありません。しかし「キャリア」は、ただの転職でも個人の好みでもありません。人生です。
人生というスパンでキャリアを見てきましたし、その視点でより良い選択ができる力を養うことがキャリア開発の目的だと信じています。短期間での退職はダメなのではなく、「損」なのです。今の会社を見切って転職する際、あなたの経歴を見るのはネットで社畜批判をする人ではなく、恐らくどちらかといえば会社で過ごした時間の方が長め経営者や人事責任者ではないでしょうか。
コンプライアンスを無視したブラック企業や、健康を損ねてまで勤務を継続する必要などないでしょう。それこそ仕事が元で身体を壊すのは大損だと思います。なのでそのような事態にならないよう、基本的な労働関係の知識を持ち、ブラック企業の洗脳に負けない体制を作っておくことが重要です。
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