上からアレコレ言われ、下からも文句を言われ――。いわゆる“中間管理職”の人たちは苦労が多いと言われているが、「課長」の肩書を持つ人たちはどんな悩みを抱えているのだろうか。
現在、課長という立場で感じている悩みを聞いたところ「仕事量が多すぎる」(45.4%)と答えた人が最も多く、次いで「人手が足りない」(43.8%)、「プレイヤー業務が多い」(38.6%)であることが、産業能率大学の調査で分かった。一方、「ハラスメントが心配でうまく指示や指導ができない」(8.1%)、「他部署との調整がうまくいかない」(11.0%)、「職場の人間関係がギスギスしている」(13.2%)を挙げる人は少なかった。
3年前と比べ、職場の状況にどのような変化があるかを聞いたところ「業務量が増えている」(57.6%)がトップ。次いで「コンプライアンスが厳しくなっている」(54.8%)、「職場の人数が減っている」「社員の平均年齢が上がっている」(いずれも35.0%)、「成果に対するモチベーションが強まっている」(32.7%)と続いた。
業務のうち、最も多く時間を割いているのは「資料作成(社内向け)」(44.0%)、本来なら最も時間を割くべきだと思う業務は「部下とのコミュニケーション」(64.4%)だった。「具体的な時間の使い方として、資料作成(社内向け)や会議といった内向きの業務が多かった。また、職場内の人員リソースが不足しており、部下の育成にも時間を割けていない現状が明らかになった」(産業能率大学)
インターネットを使った調査で、正社員の部下を1人以上持つ30〜50代の課長897人が回答した。調査期間は2月12日から14日まで。
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