コロワイド、大戸屋へのTOB期間を延長 買い付け予定数の下限も引き下げ:TOB成立の可能性を高める
コロワイドが大戸屋ホールディングスへのTOBについて、買い付け期間を9月8日まで延長。「応募状況を鑑みるに、買い付け予定数の下限に達しない」と判断。買い付け予定数の下限も引き下げ、TOB成立の可能性を高める。
外食大手のコロワイドは8月25日、大戸屋ホールディングス(HD)へのTOB(株式公開買い付け)について、買い付け期間を9月8日まで延長すると発表した。本来は25日に終える予定だったが、「応募状況を鑑みるに、買い付け予定数の下限に達しない」と判断。買い付け予定数の下限も引き下げ、TOB成立の可能性を高める。
コロワイドは、大戸屋HD株の19%超を保有する筆頭株主。業績不振が続く大戸屋HDに対し、友好的M&Aの打診、経営体制の刷新などを求めてきたが、受け入れられず、敵対的TOBへと発展。連結子会社化のため、持ち株比率を51.32%まで引き上げることを目指している。
当初、買い付け予定数の下限は187万2392株(コロワイドの現保有分を合わせると45.00%)としていたが、応募状況を踏まえ、151万138株(40.00%)に引き下げた。
今回のTOBでは、約6割を占める個人株主がTOBに応じるかどうかが焦点になっている。大戸屋HDは8月14日、食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地との業務提携を発表。新型コロナウイルスの影響下でも、サブスク事業を共同で立ち上げるなどし「企業価値および株主価値の向上を図れる」(大戸屋HD)と訴えた。
一方、コロワイドは「(TOB成立後)業績回復を早期に実現させる」とし、仕入れ・調達のコスト削減、不採算店舗の整理などを「可及的速やかに実行する」と説明。大戸屋HDとオイシックスの業務提携については「契約の詳細は把握していない」「TOB成立後の同契約への対応方針は未定」としている。
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