「コンビニパスタを買う女性が少ない問題」に挑む ローソンの新商品:男性のほうが買っていた
ローソンは9月1日にパスタの新商品を発売する。女性が最も好む麺類はパスタなのに、コンビニではそれほど購入されていないという課題があった。女性客に訴求する工夫とは。
ローソンは8月27日、「チーズ!チーズ!チーズ!6種チーズの生パスタ リングイネ」と「ボロ!ボロ!ボロネーゼ!角切り牛肉の生パスタ フェットチーネ」(いずれも税込550円)を9月1日に全国のローソン店舗で発売すると発表した。女性客により多くのコンビニパスタを買ってもらうために開発したという。
ネット調査会社のアスマーク(東京都渋谷区)が2018年に実施した「麺類に関するアンケート調査」によると、女性が最も好む麺類はパスタという結果になった。一方、ローソンでパスタを購入しているお客の55%が男性で、女性は45%にとどまっていた(19年9〜11月の実績)。
また、ローソンで最も売れているパスタはミートソースで、2位はカルボナーラ、3位は熟成たらこソースとなっている(20年8月1〜23日の販売実績)。
同社商品コンセプト開発部の小林愛花氏は「コンビニでパスタを購入することに抵抗感がある女性が多いのではないか」と考えたという。実際、20〜40代の女性に対して行ったアンケート調査では、パスタ専門店で半年に1回以上パスタを食べる人が8割以上いたのに対し、コンビニパスタを半年に1回以下しか食べない人が6割いるという結果が出た。
女性客がコンビニパスタに対してどんな不満を抱いているか調べたところ「ラインアップが変わり映えしない」「具材がもっと欲しい」「見た目がイマイチ」といった声が寄せられた。
そこで、コンビニらしくない華やかな見た目を目指すとともに、具材・ソースを麺の重量以上に使うようにした。9月に投入する新商品はいずれもパスタソースの量が麺よりも多い。また、専門店の店頭にある「黒板アート」をイメージした商品シールを使用するなど、情緒的に訴えるような工夫もしている。
さらに、専門店のパスタに負けないように、「『メニューの軸』となる1つの食材にこだわる」という方針も掲げている。例えば、「チーズ!チーズ!チーズ!6種チーズの生パスタ リングイネ」には6種のチーズを使用しており、その組み合わせにもこだわったという。
ローソンは10月以降、毎月1品ずつパスタの新商品を投入する計画だ。「コンビニパスタを買う女性が少ない問題」は解決されるだろうか。
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