「飲食店の100万円」は「5000人分の売り上げ」と同じ コロナ禍で補助金アレルギーを克服すべき理由:活用したい制度とは(3/4 ページ)
コロナ禍で各種補助金が充実してきている。これを機に「補助金アレルギー」を克服すべきと筆者は考える。どういうことかというと……
補助金を活用する際に注意すべきポイント
このように、補助金は中小企業にとって大きなメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。
注意すべきポイントの1つが、補助金は原則として後払いということです。基本的に補助金はお金を使った後の事後精算です。審査に合格したとしても、補助対象となる支払いをするために事前に補助金が受け取れるわけではなく、まずは補助対象となる支払いを行う必要があります。支払いをするために自己資金だけで賄いきれない場合は、金融機関からの融資を活用して補助対象となる支払いをしつつ、受給した補助金で返済に充てていくというスキームも可能です(新型コロナウイルスの特別措置である「コロナ特別対応型小規模事業者持続化補助金」といった補助金では、一部の補助額を前払いする制度もあります)。
もう1つの注意すべきポイントは、補助対象となる経費が決まっていることです。補助金は、それぞれの目的に合った事業を行う事業者の、その事業を行うための支出を補助するものです。
例えば、有名な補助金として「小規模事業者持続化補助金」というものがあります。この補助金は、小規模事業者が取り組む新たな販路開拓や、生産性向上の取り組みを支援する補助金です。この補助金では、「新たな販路開拓」がキーワードです。これまでテークアウトを行っていなかった飲食店が、新たにテークアウトを開始するための費用(チラシの頒布やWebサイトの制作など)に対して補助を行うというものです。
もう1つ有名な補助金が「ものづくり補助金」です。新製品やサービス、生産プロセスの改善に必要な設備投資にかかる費用の一部を補助するものです。「ものづくり」という名がついていますが、ものづくりに関係する業種だけではなく、商業・サービス業、IT業などでも広く活用可能です。先ほどの小規模事業者持続化補助金に比べて、1000万円を超えるような、ある程度規模の大きな投資(新規のシステム開発など)に対して補助が行われます。
このように、事業計画が審査に通り、なおかつ補助目的に合致した支出に対してのみ補助が行われます。お金を使えば、何でも補助の対象になるというわけではないのです。
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