2015年7月27日以前の記事
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グーグルも注目 歩けば歩くだけ安くなる医療保険「歩くとおトク保険」(3/3 ページ)

ヘルスケアデータを使った保険ビジネスが動き始めている。8月末には、グーグルの親会社であるアルファベットが保険事業に参入した。グーグルが集めたヘルスケアデータを基に保険商品を作成すれば、さまざまな可能性が考えられる。国内でも、保険スタートアップjustInCaseが始めたのが、前月の歩数に応じて保険料が割り引かれる医療保険だ。

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歩数以外のデータも取り込む未来

 同社は歩数などのデータを基にした保険を「ヘルススコア保険」と位置づけ、さらなる進化を模索中だ。今後、デバイスの進化に伴い、心拍数、血糖値、食事傾向などを計測することも可能になっていくだろう。そうした情報を基にすることで、さらにリスクを管理でき、つまり保険料を割り引ける可能性もある。

 また、ユーザーが保険料を下げるために歩数を増やす取り組みが増えていくことにも期待する。このように健康になるようにユーザーが取り組む保険を健康増進保険といい、高齢化に伴う医療費増大の中で、取り組みが期待されている。


justInCaseではこの保険を「ヘルススコア保険」と位置づけ、データの高度化やデバイスの進化に伴い保険も進化させていく考えだ(同社資料より)

 アプリを使い、歩数に応じて毎月保険料が変わる形にしたことも、健康増進に効果があるとみる。いったん割引されても、翌月歩数が減ったら割引が減ってしまう。ユーザーは継続的に歩くことが必要だからだ。「毎月保険料が変わるのは、おそらく日本では初。保険料の割引額が毎月変わらないとアプリでやる意味もないし、フィードバックサイクルが長いと、なかなか生活習慣を変えられない」(畑社長)

 歩数データを使うことは、正確なリスク測定による保険料割引以外にも効果がある。歩数計アプリから保険申込みへの導線を作れることだ。従来、医療保険の加入は対面が多く、販売コストがかかっていた。しかし、歩数計アプリ内でポップアップ広告などを使い適切なタイミングで保険を提案すれば、高い加入率となる可能性がある。販売コストが下がれば保険料をさらに下げることもでき、好循環も見込まれる。

 justInCaseは3年程度で、歩数計アプリのユーザーの3分の1が、この保険に加入することを目標としているという。

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