勝ち組は淡路島! 「Go To」を評価する沖縄と喜べない京都、観光地の本音とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
「Go Toトラベルキャンペーン」がスタートして1カ月が過ぎた。淡路島がにぎわう一方で、苦戦した地域も。キャンペーンの効果と観光地の本音を探る。
「新しい生活様式」に基づいた行動をすれば問題ない
Go Toキャンペーンは、コロナ禍の甚大な影響を受けている観光業、運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などを対象とした、官民一体型の需要喚起キャンペーンだ。Go Toトラベルの他、Go Toイート、Go Toイベント、Go To商店街がある。
Go Toトラベルでは、旅行業者等経由で期間中の旅行商品を購入した消費者に対し、最大で購入金額の2分の1が給付される。現在は代金の35%が給付されている。9月以降には、これにプラスして15%の地域共通クーポンが付く。旅行業者を通じて旅行前に決済した場合、旅行者は還付申請が不要となる。宿泊施設を直接予約して支払った場合と、予約サイトで手続きをして宿泊施設で支払った場合は、Go Toトラベル事務局への還付申請が必要だ。
1人1泊2万円の給付が上限で、連泊や利用回数の制限はない。日帰り旅行は1万円が上限となる。
このように非常にお得なキャンペーンなのだが、8月7〜16日のお盆期間、航空国内線を利用した人は124万人で、去年から65%減少した。帰省を控えた人も多く、旅行に行く気持ちにはなれなかったのだろう。
時事通信社の報道によれば、8月8日、午後4時までに東京駅を出発した東海道新幹線の自由席乗車率は最高で50%。東北新幹線も自由席の乗車率は5〜20%だったという。高速道路も、東名高速道路下り神奈川県大和市付近で16キロ、中央道下り東京都日野市付近で17キロの渋滞が発生した程度で、目立った混雑もほとんどなかったという。
しかし、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、旅行で人が移動しても感染は拡大しないと説明。ただし、旅行先の店舗内などで3密(密閉・密集・密接)の状況に陥るとクラスターが発生する可能性があるとしている。旅行中でも、「新しい生活様式」に基づいた行動をすれば問題ない。
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