勝ち組は淡路島! 「Go To」を評価する沖縄と喜べない京都、観光地の本音とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
「Go Toトラベルキャンペーン」がスタートして1カ月が過ぎた。淡路島がにぎわう一方で、苦戦した地域も。キャンペーンの効果と観光地の本音を探る。
大都市の中心部では効果が薄い
どこまでがGo Toトラベルキャンペーンの効果なのか、量りにくい面がある。しかし、1つの傾向として大都市の中心部では効果が薄く、郊外では効果が大きくなる傾向がある。
商業施設のパルコは「名古屋、福岡のような都心部立地の店舗は厳しい。さいたま市の浦和のような近郊の立地では、リモートワークが進み、密になる東京に出るより近場で楽しもうという機運があるので、前年以上に売り上げている店舗もある」(広報)としている。大都市の中心部では思うように集客ができていない一方で、郊外は好調だ。
大都市でも、換気の問題がないテラス席や屋外のビアガーデンの状況はどうなっているのか。大阪「あべのハルカス」展望台や横浜「山手十番館」などでビアガーデンを運営するゼットンは、「8月の記録的な猛暑でお客さまが楽しむにはつらかった」と指摘する。
行列ができる店も
観光地のロールアイスクリーム店で実演接客販売を行っているトレンドファクトリーでは「東京の原宿や大阪の道頓堀といった都心部立地より、地方店のほうが回復が早い」(浅野まり社長)としている。広島や徳島の店では、「遠くに出掛けるのは怖いけど、友達とアイスを食べに行くくらいなら別にいいだろうと、地元の人が来てくれる」というわけだ。
また、7月18日に新規オープンしたハウステンボスの店舗では、ショーやパレードの規模を縮小しているにもかかわらず、行列が絶えない好調なスタート。8月1日にはスティック状ワッフルの新ブランド「スティッキー ワッフルズ」1号店をオープンした。冬対策の温かい商品で、ラクレットチーズ風味のような食事系もあるので、アイスを補完できる。今後はアイスとワッフルの併設店を増やす方針だ。
関連記事
- 他県ナンバーが殺到!? 「Go To」除外の東京、集客の最前線を探る
「Go To トラベル」キャンペーンの対象から除外された東京都。集客のために観光地や施設は知恵を絞っている。一方で他県ナンバーのクルマが異常に増えた場所もあるという。 - 店内は客が少ないのに25年連続増収 西松屋がコロナ禍でも絶好調の理由
コロナ禍でも業績好調の西松屋チェーン。店内は客が少ないのに、なぜ成長を続けられるのか。同社の“非常識経営”に迫る。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 吉祥寺でステーキ戦争勃発 「いきなり!」「やっぱり」「ステーキ屋松」の決定的な違いをプロが分析
沖縄発の「やっぱりステーキ」が東京・吉祥寺に進出。この地には「いきなり!ステーキ」と「ステーキ屋松」がある。プロが3店舗を分析して分かった決定的な違いとは? - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.