勝ち組は淡路島! 「Go To」を評価する沖縄と喜べない京都、観光地の本音とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
「Go Toトラベルキャンペーン」がスタートして1カ月が過ぎた。淡路島がにぎわう一方で、苦戦した地域も。キャンペーンの効果と観光地の本音を探る。
淡路島は大盛況
キャンペーン除外の東京都では、秋川渓谷に例年以上の観光客が訪れているが、関西で盛り上がっているのが兵庫県の淡路島だ。淡路島は1998年に明石海峡大橋が開通して以来、実質的に本州と陸続きになった。
神戸淡路鳴門自動車道の「淡路ハイウェイオアシス」には大観覧車が存在しており、この施設自体が観光地となっている。また、平日でも満車になる日が多い。2000年には、植物園、展望台、ホテル、レストラン、国際会議場などを備えた複合リゾート「淡路夢舞台」が完成。20年7月にも瀬戸内海の絶景を楽しむ「KAMOME SLOW HOTEL」がオープンしており、淡路島は近年、観光地としてさらに注目されている。
淡路島観光協会は「京阪神から近いのに、自然が豊かで密にならないのが支持されているのではないでしょうか。感染リスクが少ないと考えて、9割の人が車でいらっしゃいます」と分析する。1泊旅行が主流だが、お昼に食事をしてお土産を買って帰る日帰り客も目立つ。
箱根の状況は
首都圏から近い箱根や熱海は、昨年と比べて7割ほどの顧客が戻っている。
神奈川県箱根町では、昨年の台風19号による被害で運休していた箱根登山鉄道が7月23日に再開。寸断された道路も復旧し、Go Toトラベルキャンペーンに向けて準備万端であった。
筆者は実際に箱根登山鉄道を利用してみた。8月30日の昼時、箱根湯本駅を出発した時点で客席はほぼ埋まっていた。また、箱根湯本商店街で聞き込みをしたところ、昨年の6〜7割程度の客数だという。湯本富士屋ホテルでも、例年は満室になる時期だが、3割くらい空室があるとのことだ。
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