富士ゼロックスが新会社を設立 ロボットで書類のホチキス外しなどを自動化:脱「紙書類」でDX
富士ゼロックスが米企業と新会社の設立で合意したと発表。9月中に営業を開始し、ロボットでホチキス外しやスキャンを自動化、紙書類のデータ化とクラウド保管をサポートする。脱「紙書類」を通し企業のDXを支援する考えだ。
富士ゼロックスは9月3日、新会社の設立を発表した。紙書類のデジタル化を行うロボットなどを提供する米リップコード社と合同で設立する。新会社の名称は「富士フイルムRIPCORD」で、9月中に日本国内で営業を開始するという。アジア地域での展開も視野に入れ、2020年代半ばまでに売り上げ300億円以上を目指す。
新会社では、富士ゼロックスが持つ紙書類のデジタル化や業務プロセスの効率化ノウハウと、リップコード社のロボティクス技術を融合し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく。
具体的には、まずロボットを使い自動で紙媒体のホチキスを外したり、スキャンしたりしてイメージデータ化する。その上で、文字認識技術を使いテキストデータを自動抽出・分類。整理したデータはクラウド上で管理し、普及しつつあるテレワークでもスムーズにデータを利活用できるようにする。
リップコード社のサービスは7月に三菱UFJ銀行が導入を発表しており、21年から段階的に3億ページ以上ある個人情報書類などを全て電子化していくという。富士フイルムRIPCORDでも、紙書類の取り扱いが多い金融業界や保険業界を中心にサービスの活用を想定している。また、紙書類のデジタル化にとどまらず、富士ゼロックスの請求書処理ソリューションや電子署名ソリューションなどとのAPI連携を通し、ワンストップでビジネスモデルの変革をサポートしていく考えだ。
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